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時と光と風の中で

第13章 あっという間に夏休み


博物館の仲はとても大きくて様々な展示がされていた。

妹がはしゃぎながら駆けていく。それを母さんが注意していた。
「こらこら、走ってはいけません。」
ケンタウロスは遠くでその様子を見ながら展示物を見て回った。
「あれ?この本は?」
ガラスケースの中に入っていた1冊の本があった。
「ウンディーネが教えてくれた本だ。」
以前、ウンディーネが教えてくれたディオゲネス・ラエルティオス著者のギリシア哲学者列伝という本だった。

ウンディーネでさへも途中で読むのを諦めたとあるんだから相当難しい本なんだろう~そう思って本を見ているときだった。
「ん?本が光った?」
一瞬本が光ったように見えたのだ。目をこすってもう一度見ると本が光り、ページがパラパラとめくれた。
「えっ、どうして?」
ケンタウロスが不思議がっていると本の中から声が聞こえた。

「次に起こりうることは要注意せよ。」
「用注意って何をですか?」
ケンタウロスが必死に聞こうとしたが本は閉じられてしまい開くことはなかった。

「どうしたんだ、ケンタウロス?」
父さんがこっちにやって来て聞いてきたので何でもないと首を横に振った。

「本当に今のは何だったんだろう?」
その後も展示物を見て回って食事もしたけど本の声が気になって仕方がなかった。あれは誰の声だったのか?次に起こることとは何なのかをずっと考えていた。

そうしていくうちに夏休みは終わった。

「お兄ちゃん元気でね。」
「うん、メイシーも元気で。父さんと母さんもね。また手紙書くから。」
「ちゃんとやるんだぞ。」
「勉強頑張ってね。」
皆の声をしっかり聞いて僕は汽車に乗り込んだ。

明日からまた学校が始まる。ケンタウロスは期待と不安でいっぱいだった。

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