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時と光と風の中で

第13章 あっという間に夏休み


それから暫くしてケンタウロス達も通常の生活に戻った。そしてテストも終わり夏休みがやって来た。
僕達は汽車に乗ってそれぞれの家に帰った。
「はぁーどうしよう。妹に去年、春には帰れるからって言っちゃたしなあ。」
僕はため息をついて汽車を降りた。すると妹が駆け出してきた。
「おにいーちゃん。」
妹は僕に抱きついてい来た。
「春休みには帰れるって言ったのに。」
妹はほほを膨らまして少し怒っていた。
「ごめんって。色々忙しくってさ。」
僕は行きの車の中で最近の学校の事を妹に話した。
「すごいね。タイムスリップしたんだね。」
「うん、そうだよ。」
「それでどうだったの?」
「そうだなあ。」
それから暫く妹の質問攻めにあった。でも暫くの間だから我慢することにした。
「着いたぞ!」
父が車を止めてくれて僕らは家の中に入った。
僕は部屋に入り荷物を下した。
「懐かしいなあ。」
部屋を見て僕は思い出す。去年の夏に母が言っていたことを。
「ケンタウロスの部屋はきれいに掃除して取っておくから来年も帰って来るのよ。」
そしてここからが僕の運命の始まりだったことを。
去年の春頃、僕は部屋の掃除をしていた。その時開いた窓から突然光が差し込み学校の入学の招待状が届いたのである。
「あれから1年経つのかあ。」
それでも僕の本当の両親は未だに探せていない。
「ケイローン様に聞いておくべきだったかなあ。」
僕がポツリと呟いていると下から声がした。
「ねえ、お茶にしましょうよ。」
「はーい。」
母の声に耳を傾け僕は部屋から出て階段を下りて行った。

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