第2章 真実とは何か?
オリエンスが去った後、ケンタウロス達はディオを説得してみんなで励まし合い先に進んだ。
「でも何で急にオリエンスが現れたのかしら?」
ウンディーネは歩きながら肩をすくめた。
みんなでそう話していると外の方から騒がしい声が聞こえた。
「何だ?」
みんなが窓の外を見るとそこにはたくさんの兵士が集まって戦っていた。
「あっ、危ない。」
デュシスが声を張り上げたその先には弓矢がウンディーネの前に向かっていた。
「きゃああ。」
ウンディーネはとっさに床にしゃがみ込んだ。
「ウンディーネ。大丈夫?」
ケンタウロスとディオがウンディーネの方へと駆け寄った。
「何が始まったの?とにかくここにいるのは危険ってことだけはわかったわ。」
「今、ペルシア戦争が開戦したことをここに宣言する。このままイオニアスにすべてを任しておいたらダメになってしまう。その前にみんなでなんとかしよう。」
誰かの声が城にまで大きく響いていた。
「ペルシア戦争だって?アケメネス朝ペルシア帝国のギリシア遠征の?」
ケンタウロスが驚いて窓の外を見ると既に戦いは始まっていた。
「みなさん、ここを離れましょう。」
デュシスの言葉にみんな頷き城を後にしようと元来た道をたどった。
「アケメネス朝の影響力拡大に対するイオニア地方の都市国家群の反発から起ったのよね?」
小走りでウンディーネが言った。
「そうですよ。」
ゴブリンが頷いた。
「あれ?元来た道を戻ってるはずなのにおかしいな?」
ケンタウロス達は迷子になったのか?いや、そうではない。たしかに元来た道を戻っているはずだ。
「うわあ、炎だ。どうしよう。」
ディオが叫んだその先にはみるみるうちに城が炎に包まれていく様だった。
「どうしよう。これじゃあ逃げられないわ。」
みんなはここで死ぬのだと思った。
「まだ、学校のみんなと一緒にいたかったよ。」
ディオがそう叫んだ時、一筋の光が差し込んだ。
「皆、下がって。」
え?誰の声かはわからなかったがみんなは後ろに下がった。
ドーン!っと凄まじい音がしたのでみんなは目をつむった。
暫くして目を開けると炎は既に消えていた。
「あれ?僕達・・・生きてる?」
「そうよ。助かったのよ。」
みんなは歓喜の声に沸いたがそれもつかの間だった。
「城が壊れてる。そんな~。」
ゴブリンが言葉を失った。
いつの間にかみんなは合戦地へと着いていた。