第12章 エルフ~ポッシビリタースの秘めた力~
「それで、ケンタウロスはカッリピダイ諸族の住人から情報を得たのね?」
ウンディーネは冷静になってそう聞いた。
「そうだよ。」
「じゃあ、ケイローン様のお父様も半人半馬ってことはケンタウロスと同じね。」
ウンディーネの言葉にケンタウロスは頷いた。
「うん、彼は弓を放つのが凄く上手かったんだって。もしかしたらエキドナとやりあったのかな?」
「わからないわ。でもエキドナの死と何か関係はありそうね。行きましょう。」
ウンディーネは老人に挨拶をしてケンタウロスと歩いて行った。
それからみんなで集まり意見交換を行った。
「そう言えばケンタウロスがケイローン様はピリュラーと変わったって言っていたけどその情報は掴めたの?」
ウンディーネがケンタウロスに聞いた。
「彼女はケイローン様のお母様らしいよ。」
「お母様ですって?でも何故彼女はクロノスと姿を変えたのかしら?」
ケンタウロスの言葉にみんなは驚いた。
「うん、彼女は他にもドロプスを産んでいるからドロプスとケイローン様が兄弟なのは間違いないだろうね。でもケイローン様の兄弟についての情報は得られなかったよ。」
「そう・・・。」
ウンディーネはケンタウロスの言葉に静かに頷いた。
「何だか雲行きが怪しくなってきたわね。」
ギュム先生に言われ空を見上げるとあんなに青かった空は曇っていた。
「先を急ぎましょう。」
みんなは話しながら歩いた。
「そうそう、エキドナってスフィンクスを産んだらしいよ。」
歩きながらディオが言った。
「誰なんだ、その方は?」
ケンタウロスが首を傾げているとウンディーネが説明してくれた。
「彼女はライオンの身体、美しい人間の女性の顔と乳房のある胸、鷲の翼を持つ怪物よ。色んな人に産んでもらった説があるけれどエキドナが母親という説が有力ね。」
「なるほどね。」
「でもエキドナのあの死に方何か引っかかるのよね。」
「何かって?」
みんなは不思議がるウンディーネに聞いた。
「だって、あの死に方はないと思うわ。死ぬってことはどんな風に亡くなったのか考えるべきよね。例えば刃物で刺されたとか弓矢で撃たれたとか・・・崖を転がったとか、兎に角死に方は色々あるのよ。そこでだけど彼女はどんな風に死んだのか考えていけば死因はわかると思うのよね。」
どんな風に・・・か。ケンタウロスはウンディーネの言葉を聞いて思い返していた。