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時と光と風の中で

第12章 エルフ~ポッシビリタースの秘めた力~


「エキドナというお方はなぁ、それは大層な方じゃったわい。テューポーンとの間に生まれた子が12人おってなオルトロスとの間に生まれた子は4人、ヘーラクレースとの間に生まれた子は3人おったんじゃよ。」
老人はウンディーネに腰掛けなさいと椅子を持ってきてくれた。
「ありがとうございます。それにしてもエキドナは随分と子沢山だったのですね。」
ウンディーネは老人にお礼を言って椅子に腰掛けた。
そして老人も椅子に腰掛け、話を交わした。
「さよう!最初の子はケルベロスという犬の怪物じゃった。それは恐れ多くて皆、近づかんじゃったわい。その名は『底無し穴の霊』を意味するんじゃったかな?」
「底無し穴の霊ですか・・・。」
「不死の百頭竜(ラードーン)、プロメーテウスの肝臓を喰らう不死のワシ、パイア、金羊毛の守護竜といった怪物たちと兄弟だったんじゃよ。」
老人はそう語ってくれた。
「ラードーンは聞いたことがありますね。」
ウンディーネは以前獣の乗り方の授業でラードーンを扱ったのを思い出した。
「彼女の夫はエトナ火山に封印された後、息子のオルトロスと再婚したって本当なのですか?」
「いや、それは噂にすぎないんじゃないか?わしは彼はまだどこかで生きていると信じているよ。」
老人はそう言うと椅子から立ち上がってゆっくりと歩き出した。
「今、飲み物を持ってくるで待ってろや。」
「あの、お構いなく。」
ウンディーネは申し訳なさそうに老人の背中に頭を下げた。
しばらくして老人が飲み物を持ってくるとまた、話を続けることにした。
「それで噂の夫が封印されたというエトナ火山って何なのですか?」
ウンディーネは飲みながら聞いた。
「エトナ火山とわな、モンジベッロ と言うんじゃよ。いや、噂に過ぎんからな。これ以上のことは知らんがな。」
ウンディーネが老人と話しているとケンタウロスがやって来た。
「どうしたの?他の2人は!?」
ウンディーネは顔をしかめ椅子から立ち上がると飲み物を椅子の上に置いた。
「はぁ、はぁ。ケイローン様はクロノスとニュンペーのピリュラーの子で、クロノスは妻レアーの目を逃れるために馬に姿を変えてピリュラーと交わったことから、半人半馬となったと言われているんだって。またドロプスという兄弟がいたともいわれるんだって言うことがわかったんだ。」
ケンタウロスは息を切らしながら話した。

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