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時と光と風の中で

第12章 エルフ~ポッシビリタースの秘めた力~


「なるほどね。」
みんなはウンディーネの説明にじっと耳を傾けていた。そうしているうちにやがてスキタイ地方に到着した。
「着いたはいいけれど色んな諸族があるようね。どこから行く?」
チャリオットを降りてウンディーネがみんなに聞いた。
「うわぁ、そんなにかよ。勘弁してくれよ。それでどれくらいあるんだ?」
ディオが呆れてため息を付いた。
「7つあるわ。カッリピダイ、農耕スキタイ、農民スキタイそれから遊牧スキタイ、王族スキタイえっとあとは・・・別種スキタイとエナレスよ。」
ウンディーネが数えながらそう教えてくれた。
「スキタイの文字が最後に来る諸族が多いんだね。」
みんなもチャリオットを降りて歩き出した。
「それぞれ回ってエキドナについて聞いていたら日が暮れそうだわ。」
ギュム先生が言うように時刻はお昼をちょうど過ぎた頃だった。
「でもみんなで手分けして聴き込めば大丈夫よ。」
ウンディーネはそう言ってみんなに散らばって調査するように指示を出した。
諸族の人達も昼食を食べ終え女性は後片付け、男性は仕事へと向かっていた。
そして、それぞれが別々に調査することになった。ケンタウロスはカッリピダイという諸族を訪れた。ここはギリシア系スキタイであり、ヒュパニス河畔に住んでいる。習俗は大体にしてスキタイと同じだが、自ら穀物を栽培して食用に充て、玉ねぎ,ニラ,扁豆,栗なども栽培しているので、遊牧民であるスキタイと異なる。カッリピダイの向こうにはアリゾネスという民族が住んでいる。
「あの、すみません。エキドナという方はこの地方の女神様なんですか?」
ケンタウロスは諸族の人を見つけると聞いてみることにした。
「ああ、そうとも言うだろうね。わたしゃ、詳しいことは知らんのでね。」
女性はカゴいっぱいに洗濯物を抱え込んで歩いているところだった。
そしてウンディーネは王族スキタイを訪れていた。
「エキドナと言う方が亡くなっているのを発見したんです。そこでこの地方に関係があると聞き、訪れたのですがどなたか彼女について知っている方はいませんか?」
ウンディーネが必死になって聞き込んでいるとこの地方の方だと名乗る老人から話を聞くことができた。
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