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時と光と風の中で

第12章 エルフ~ポッシビリタースの秘めた力~


そしてエキドナの死は何かを物語っていた。ここであの数分の間に何かが起こっていたに違いないと確信したからである。
ディオは周りにいた生徒達にここで何があったのか、順に聞いていくことにした。しかし返ってくるのは同じ言葉で”わからない”と生徒達口々にそう言って首を横に振った。
「この女性は元はスキタイ地方の女神だったんだわ。そこに行けば何か手がかりが得られるのかしらね?」
ウンディーネの言葉にケンタウロス達3人は頷きスキタイ地方へ向かうことにした。その時、後ろから声がしたのでみんなは振り返った。
「こらっ!待たんか!」
「あれは誰なのですか?」
ウンディーネが小声でギュム先生に聞いた。
「ポセイドン先生よ。」
「ええ?私達の知らない先生ね。とにかくここを抜けないとまずいわね。」
みんなは先生の言葉を振り切って走り去った。
★★★

みんなはチャリオットに乗ってスキタイ地方を目指した。
「スキタイ地方?聞いたことのない名前だな~?」
ディオが驚いているとウンディーネが教えてくれた。
「スキタイ地方に住んでいる人々はは遊牧騎馬民族および遊牧国家と呼ばれているわ。また、スキュタイとも表記することもあるわね。」
「あなたって何でも知ってるのね。感心しちゃうわ。」
ギュム先生が笑顔でそう言ったのでウンディーネは少し顔が赤くなり照れてしまっった。
「なんか先生に褒められてるみたいで、ちょっと嬉しいな。私はギュムナスティケーさんが先生をしている学校で勉学に励んでますから。」
「なぁ、遊牧民族って人類の生活類型の二大区分である移動型と定住型のうちの移動型の牧畜(遊牧)を生業とする人々や民族を指すんだろう?」
チャリオットの中でケンタウロスがウンディーネに聞いた。
「ええ、そうよ。遊牧民は、一箇所に定住することなく、居住する場所を一年間を通じて何度か移動しながら主に牧畜を行って生活しているんだわ。多くの場合、1家族ないし数家族からなる小規模な拡大家族単位で家畜の群れを率い、家畜が牧草地の草を食べ尽くさないように、その回復を待ちながら、定期的に別の場所へと移動を行うのよ。それから遊牧国家とは、遊牧民が支配階層を形成して組織された国家のことよ。面的に広がる集約農耕の展開が困難ではあるが、遊牧による牧畜に適した乾燥地帯が広がる高原などに多く存在したらしいわね。」
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