第12章 エルフ~ポッシビリタースの秘めた力~
翌日、武器の使い方の授業が2時間目に行われた。
「みなさん、今日はプギオという短い剣を使いますよ。この剣は短剣で、中世時代におけるダガーと似たような役割を持っている。護身用の他、軽作業などにも用いられたとされています。それから・・・。」
ケンタウロス、ディオ、ウンディーネの3人は先生の話を聞きながら遠くの森へ目を凝らした。
森には微かな風が吹いておりざわざわと揺れる木々の音がはっきりと聞こえただけであった。
「何もいないじゃない。」
ウンディーネがそう呟くとアマイモンがしゃしゃり出てきた。
「おい!才女何見てるんだよ?先生ーウン・・・。」
「黙ってて!」
ウンディーネはアマイモンの靴を踏みつけ彼の口元を抑えると”何でもありません”と言って彼の口から手を放した。
「はぁ、はぁ。何だよ!人が折角先生に忠告してあげようとしたのによ。」
少し息が切れてるアマイモンにウンディーネは”結構です”と小さく短く答え森の中に集中した。
すると森の中に光が差し込んでいるように見えたのだ。これはケンタウロスもディオも感じていた。
「何!?」
すると森の中からメッセージが聞こえてきた。
『校長先生に聞くといいよ。僕の事知ってるかもしれないよ。』
メッセージはここで終わりあとは何も起こらなかった。
「あれは一体何だったんだろう?」
兎に角3人は放課後校長室へ行ってみようということになり放課後を待った。
3時間目は論理学、お昼を挟み魔術、歴史学でこの日の授業は終了した。
「終わったな。早速校長室へ行こう!」
3人は授業が終ると校長室へ駆け出して行った。
トントン
「何かね?」
校長先生が部屋の中から答えた。
「あの、先生に聞きたいことがあるんです。」
「入りなさい。」
ガチャッ
3人は校長室へと足を踏み入れた。そして最近見かけるエルフについて聞いてみたのだ。すると校長先生は一冊の本を手に取りページを開くと3人にこれを見るように言った。
「これを見てごらん。何かわかるかい?」
「古い文字の様ね。何かしら?」
ウンディーネが首を傾げているのだから相当古い文字に違いないとケンタウロスは思った。
「この文字を解明すれば彼のこともきっとわかるだろうね。」
校長先生は静かにそう言った。
「でもどうやって解明するんですか?」
ディオが不思議そうに校長先生に尋ねた。