第2章 真実とは何か?
城に着いたケンタウロス達と女神のデュシスは重い門を開けて城の中へと入って行った。
ぎいぃぃ・・・
中はとても暗く不気味だった。
「なんなんだよ。」
ケンタウロスが不安げにそう言うと何かが彼らの真上を通り過ぎた。
「何?あっコウモリ?」
ウンディーネが上の方を指さすと薄暗い中でコウモリがこちらを飛んで行きた。
「怖いよ~。助けてくれ!」
ディオは顔が青ざめて叫んだがデュシスが彼をなだめたのでその場は収まった。
4人がしばらく歩いていると部屋の中がパット明るくなった。
「これは、みなさんお揃いで。」
そこにはゴブリンがカンテラを手にこちらを振り向いていた。
「あっ。君はゴブリンかい?」
ケンタウロスが聞くと彼はこくりと頷いた。
「そうだよ。今じゃ私の仲間もどこかに行っちまったけどね。」
ゴブリンがそう肩をすくめていると、城の中に風が吹き始めた。
「ねえ、ゴブリンは術士アブラメリンの聖なる魔術の書っていう本は知ってる?」
ウンディーネがハラハラして聞いた。
「聞いたことはあるな。でも何故それを?」
ゴブリンがウンディーネに聞くとウンディーネはこう答えた。
「私達の学校の先生達が探してるんです。なので、何とかして見つけたいんです。願いが叶う本と聞いたんですが、どんなデザインの本なのかわからなくて。」
「たしか一般には伝えられていない秘術が書いてあったような気がします。」
ゴブリンは思い出しながらそう言った。
「僕達の学校の他に新しい学校ができようとしてるんです。それをなんとか阻止しなくちゃいけないんですけどね。」
ディオが呆れて言葉を付け加えた。
そんな話をしながら4人とゴブリンは風が吹く城の奥へと足を進めていった。
この先どんな困難なことが待ち受けているのか知る由もないだろう。