第2章 真実とは何か?
森を抜けると吊り橋があった。
「これを渡るのか?」
ケンタウロスは吊り橋の下を見た。すると小さく川が流れているのが見えた。
「頑張って渡るのよ。失敗したら奈落の底よ。」
ウンディーネがそういってケンタウロスの背中を押した。
「やめてくれよ。押すなよ。」
ウンディーネがケンタウロスの背中を押した途端吊り橋がぎしぎしと音を立てて揺れた。
「うわあ。」
ケンタウロスに続きウンディーネー、タロー、ディオが渡った。吊り橋を渡ったその先には冷たい風が吹いていた。
ひゅうー
「なんて冷たい風なんだ。」
ディオが身震いしてそう言った。
「この先は気をつけてね。」
タローは3人にそう促して進むように言った。そしてゆっくりと微笑んで3人に手を振った。
暫く進むと遠くの方で黒いものが光った。
「あれは何?」
ウンディーネが遠くの方を指をさすとタローの表情が暗くなった。
「え?」
ウンディーネ達が後ろを振り向くとそこにはタローの姿はなく、別のホーラの女神がいた。
「あなたは誰?そしてあの黒いものは何?」
ケンタウロスが彼女に聞くと彼女はゆっくりこう答えた。
「私の名はデュシス で日没の女神なの。そしてあの黒いのはお城よ。行けばわかるからついて来て。」
ディオが歩きながらタローはどこに行ったのかデュシスに聞きいた。
「彼女とはここで別れてここからは私が案内するわ。ホーラの一族と一口に言っても沢山の女神達が存在するし、みんな同じ世界にいても住んでいる所はバラバラなのよ。だから区切りがあるの。」
デュシスは淡々とそう言って3人に一緒に来るよう言った。
3人は肩をすくめてデュシスの後を追いかけた。
「あの城は何の城なんだろう?」
不安と期待に胸をふくらませて3人は歩いて行った。