第11章 進級~新しい出会い~
「あれから、サタンらからは何も連絡はないのか?」
イェソド女王は窓の外を見て言った。
「左様にございます。今は何とも連絡は届いておりません。まぁ、あの3人も元気に学校生活を送っているということなのでしょう。」
アラマール伯爵が笑みを浮かべて言葉を返した。
「そうではない!お前は私が言いたいことが分からぬのか?」
女王は伯爵に守りの武器をあてがった。
「いえ、そのようなことは滅相も・・・まことに申し訳ありません。」
伯爵は武器を手で押さえた後、女王に敬意を払い深々と頭を下げた。
「あの3人どもは一体何をしておるのじゃ。この悪魔の糞め!」
女王は怒りに任せ窓の外を叩こうとしたが伯爵に止められてしまった。
「いけません、女王様。いくらお怒りでもこのような行動は慎みください。」
「わかっておるわ。どいつもこいつもうるさいのじゃ。」
女王は伯爵が抑えている腕を振り払うとため息をつき椅子に腰かけた。
「済まないの。私としたことが身勝手な行動をとってしまった。しかし、一向に連絡が着かぬとは彼らの身に何かあったのではないだろうか?」
女王は伯爵に聞いた。
「どうでしょうか?彼らのミニ何か起きていなければいいのですが・・・今のところ何とも言えませぬからな。このまま少し様子を見てみるのはいかがでしょうか?それでも連絡がないようでしたらこちらから一報入れてみるのも一つの手段だと思われます。もしかすると彼から女王様のご命令を忘れているのでは?」
伯爵がおずおずと女王に語ったが”忘れる”と言う言葉が気に障ったのか女王は伯爵に鋭い目を向けた。
「忘れるじゃと!?この私と言うものが誰か分かっておろうな。忘れるなどありえんわ。」
「左様にございますよね。ですから、もしもと思い語ってみただけでございます。」
伯爵は女王にこれ以上怒らせては困ると必死に訂正した。
「何か手立てを打たねばならんな。よし、行動へ移るのじゃ。」
「でも様子を見た方が・・・。」
伯爵は女王そう言ったが女王は”今までも散々待った”と言われてしまい諦めて女王の言葉に乗ることにした。
「それではエドガー様をお呼びいたしましょうか?」
「そうじゃの。急ぎじゃからと伝えるように。」
女王の言葉に伯爵は一礼して部屋を後にして行った。