第11章 進級~新しい出会い~
「ここかしらね?あら、2人とも。」
ウンディーネが談話室に着いた頃にはケンタウロスとディオがすでに来ていた。
「やあ、ウンディーネ。」
「ここで待っていろ、ですってね?」
ウンディーネが怪訝そうに聞いた。
「そうだよ。あっあの人は・・・クセノファノス先生だ。」
暫くするとクセノファノス先生がこちらにやって来たのでケンタウロスが指をさした。
「私についてきなさい。食事会へ案内しよう」
と言ってくれたので3人は先生の後をついていった。するとそこには見たこともない古い館があった。
「うわぁ~。」
驚く2人の男子に対してウンディーネは冷静に先生に聞いた。
「ここは普段は何に使う部屋なんですか?」
「ウンディーネさんよく聞いてくれましたな。ははっ、ここは前は夏の時だけの避暑地として使っていたようですが今は使っていないため、使わないのももったいないですし掃除をして今年から食事会などの催しに使うことになりました。ただし、一般の生徒は立ち入り禁止で選ばれた者だけが入る事が出来るんですよ。だから君達が最初のお客様ですな。実に光栄なことだな。さぁ、中に入って。」
3人は軽く頭を下げて中へと入って行った。
中に入ると古典主義が施された装飾で飾られていた。古典主義とはヨーロッパでギリシャ・ローマの古典古代を理想と考え、その時代の学芸・文化を模範として仰ぐ傾向のこと。均整・調和などがその理想とされ、人間性を追及することを特色とする。文脈により異なった意味合いで使用される。ロマン主義の対概念のことである。
現代の美術的な感覚からすれば、建築よりもむしろ彫刻に近いだろうか。二重周柱式神殿(ディプテラル)に似た構成の造りになっている玄関口と部屋の中にはたくさんの装飾が飾られ謎の文字が刻まれている壁が印象的であった。天井にはランプが下がっておりどこかノスタルジアのようなそんな建物であった。