第2章 真実とは何か?
「この光は何だろう?」
ディオが光に指を差し込むと壁が動き2つに別れその間には未知の世界が広がっていた。
「ここはどこ?学校にこんな所があったなんて。」
3人は驚いて目を丸くした。
「とにかく進もう。何か手がかりがあるかもしれないぞ。」
ケンタウロスの言葉に2人とも頷き未知の世界へと走り出した。
暫く走ると笑い声が3人をすり抜けた。
「オホホホホ。」
そこには森が広がり木々の間に木漏れ日が差し込んでいた。
「なんて綺麗なのかしら。」
ウンディーネはうっとりと森を見つめた。
「水の流れる音が聞こえるぞ。行こう。」
ディオの言葉に3人は走るのをやめて景色を見ながら歩き出した。
しばらく歩いた3人は水の音に耳を澄ませた。
「川があるわ。」
ウンディーネが川を見つけて走り出した。
するとそこに美しい女性がこちらに歩いて来た。
「この花をあげましょう。」
そこに現れたのはホーラ一族の春の女神タローだった。
「あなたはガイウス・ユリウス・ヒュギーヌスの著書の神話集に出てくる?」
ウンディーネは彼女の方を見て驚いた。
「私ホーラ一族の春の女神タローにございます。」
なんとそこには留学生達の仲間の一人が3人の前で微笑んでいた。
「私がご案内しましょう。」
タローはそう言って3人に森の中を案内してくれた。
森にはまだ見たことのない綺麗な昆虫や鳥、動物などが沢山いた。
「こんな光景見たことないな。」
3人は森の中にすっかり見とれてしまい、あの書を探すのをすっかり忘れていた。森の向こうにはどんな世界が待っているのだろうと思うとなんだかワクワクしてきた。3人が後ろを振り返ると川も入口の壁も見えなくなっていた。
「随分遠くに来たんだなあ。」
ケンタウロスがそう呟くとタローがにっこりしてこう聞いてきた。
「どちらからいらしたの?」
ここで3人は、はっとして学校での出来事をすべて話した。勿論あの書を探している事も話したのである