第11章 進級~新しい出会い~
ケンタウロスはごくりとつばを飲み込んで研究室のドアに手をかけた。そしてドアをノックして戸を少しずつ開けた。
コンコン
「失礼します。」
「お入り。」
ガチャ、ギィィィ・・・。
「ミネルヴァ先生、お呼びでしょうか?」
「ええ、そこに座って。ケンタウロス君。」
「はい。」
ケンタウロスは先生に言われるがままに席に座ると膝の上に手を置いてじっと唇を噛み締めた。
「今日の授業でのことは覚えていらっしゃるかしら?」
「はい、えっと僕が・・・。」
ケンタウロスは謝ろうと口を開いたが先生に止められてしまった。
「あなたが言いたいことはわかっているわ。反省に来たのならこれをやって欲しいのです。」
そう言ったミネルヴァ先生はケンタウロスにあるものをテーブルの上に差し出した。それはLeyden Papyrusと言うものでこれを書き写す言うに言われたのだ。
「これを・・・書け?ってことですか?」
「そうよ。私だって教師ですもの。手洗い真似だけは避けたいですからね。さぁ、書くのです。」
「はい。」
ケンタウロスは先生に言われて紙に書き写し始めた。それから暫くしてケンタウロスが黙々と書き進めていると紙から煙が経ち始めた。
「なっ何!?」
ケンタウロスは驚いて手を止めて口をあんぐり開けた。
「Sankt-Olav reid i dengrøne skog,fekk skade på sin eigen hestefot.Bein i bein,kjøt i kjøt, hud i hud.Alt med Guds ord og amen!」
煙で辺りが薄暗くなりそこに誰かの声が響いたのだ。
「これは?」
ケンタウロスはこの言葉を発している声をどこかで聞いたことがある気がしたからだ。
「誰?」
ケンタウロスは目をこすり、煙の中を見張ったが暫くして煙はあっという間に消えた。あれは何だったんだろう?とケンタウロスがふと、自分の手を見ると一瞬自分の手が骨だけに見えたので身震いをした。
「ケンタウロス君、どうかしましたか?」
ミネルヴァ先生は首をかしげてケンタウロスに聞いたがケンタウロスは我に返って”何でもないです”と言って続きを書くと研究室を出て行った。
「先生、本当にすみませんでした。」
「途中で手が止まっていましたよ。まぁ、いいわ。以後気を付けてくださいね。」
バタン。