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時と光と風の中で

第11章 進級~新しい出会い~


「先生、質問があるのですがこの教科書には魔術の方法が書かれていません。」
ケンタウロスは授業の中で教科書を開いて読んでいくうちにこのことに気が付いたのだ。
「質問は手を挙げてからですよ、ケンタウロス君!」
ミネルヴァ先生は魔法の杖を使いケンタウロスの机の上の教科書を閉じた。
「で、でも・・・先生。どうやって。」
ケンタウロスは必死に訴えましたが先生は聞き入れてくれなかったのである。
「授業に口答えは無用です。わかりましたか?」
「でも教科書を見て学ぶより魔術を学んだ方が・・・。」
ケンタウロスはいけないこと言ってしまった気がしてはっとした。
「魔術の知識を高めることが呪文を唱える第一歩なのですよ。それなのにケンタウロス君ときたら呆れて話にもならないわね。だいたい、まだ教えてもいないのに魔術を使う気ですか?」
「そうじゃないですけど。」
「魔術を使ったからと言って歴史が大きく変わるなんてことはないんですよ。まったく近頃の子は。」
先生は呆れてため息をついた。
「でも僕はデマゴーグを見たんです。学校の書物を盗んで・・・。」
ケンタウロスは必死に訴えたが先生に言葉を返されてしまったのだ。
「デマゴーグだって?そんな奴がどこにいるのですか?」
ケンタウロスと先生のやり取りに一同騒然となり,ウンディーネとディオが立ち上がって先生に話を聞いてもらおうとしたが全く聞き入れてもらえなかった。
「ケンタウロス君、あとで話があるので放課後に私の研究室に来るように。」
ケンタウロスは初日にミネルヴァ先生を怒らせてしまい罰として放課後研究室を訪れる羽目になってしまった。この様子をワル達は手を叩き喜んでいた。
「静かに、授業中ですよ。」
先生は生徒を静かにするように手を叩いた。
「ケンタウロス、あとで私達もついていくわね。」
ウンディーネとディオが今日の放課後一緒に研究室に行ってあげると言ってくれた。
「ありがとう。」
ケンタウロスは後ろのウンディーネと隣の席のディオに小声でお礼を言った。
こうして午前中の授業が終わりお昼の時間となった。
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