第11章 進級~新しい出会い~
2時間目はミネルヴァ先生の魔術であった。魔術を教わるのはみんな初めてだった。
「皆さん、席に着いてください。」
ミネルヴァ先生が生徒達を席に着くように手を叩いた。すると生徒達は先生の魔法にかかりあっという間に席に着いた。
「うわぁ、すごいな。」
授業初日からケンタウロスは圧倒されることばかりだった。
「さて、最初は魔術とは何かについて話していきましょう。」
先生は一呼吸おいてから話し始めた。
「魔術とは人間の意志を宇宙の事象に適用することによって何らかの変化を生じさせることを意図して行われる行為、その手段、そのための技術と知識の体系、およびそれをめぐる文化なのです。ただし一般通念としての魔術は科学技術と異なり、少なくとも見かけ上は超常的、超自然的なものとされる傾向があります。また、魔術によって引き起こすことができると想像される事象は、超自然的なもの、外面的・物理的なもの、内面的・精神的なものなど、文脈によりさまざまなケースがあります。」
先生が説明しながら魔法を使い黒板にしるした。
「魔術とはこういうものだと頭の中に入れておかないといけません。知識が豊富なほど魔術は扱いやすくなるのです。わかりましたか?実はこの世界では原作開始時期と違って神代の時代では魔術の存在が秘匿されていなかった。魔術や魔術師が普通に人々に知られていたし、魔術師を探そうとすれば案外簡単に探すことができた。例えばその魔術師が魔術を教える私塾をやっていた事だった、とすればよく考えたら魔術の研究にはお金がかかる物が多い。権力者だったら何とかなるが、並程度の一般人では魔術の研究は難しい。その魔術師も先祖は権力者だったが没落してしまった為にお金を稼ぐために私塾をやっているらしい。確かに権力者の家でも権力を持ち続けるとは限らず没落してしまうのはよくある話ですね。」
「はい。」
こうして魔術の授業は始まっていった。