第11章 進級~新しい出会い~
そして集会があった後に教科書の販売が行われた。ケンタウロス達が教科書販売に並んでいる間、新1年生の入学式が集会所にて行われた。こうしてこの日は終了だ。明日からは授業が始まるのである。
教科書販売も終わり夕食の時になると、ワル3人がキルケの所にやって来た。
「public .N.T of schoolから来たんだってな?あの名門校からどうして来たんだ?」
アマイモンがハラハラして聞いた。
「両親の都合で来たの。」
キルケは淡々と静かにそう述べた。
「クールぶって何だよ?生意気じゃねーの?」
サタンがキルケを見下すように言った。
「そうだ、あなた達に良いこと教えてあげるわ。聞きたい?」
キルケはサタンの言葉にも気にせずくすりと笑った。
「良いことって・・・俺達に興味ない話だったら承知しねーぞ。」
アマイモンがキルケに殴りかかろうとしたがそれをキルケに止められてしまった。
「暴力で解決しようたって無駄よ。聞きたくないならいいわ。」
「わかったよ。聞くよ、それで?」
ワルたちは渋々キルケの言うことを聞いた。
「私の父はヘーリオスという太陽の神なの。またの名をアポローンと言うのよ。」
「へえ、それが良い話ね~?それにしてもキルケの父が有名人だたっとわな。」
アマイモンが笑った。
「良い話はここからよ。実は私の父の双子の姉であるアルテミスは、父の妹で月の女神であるセレーネーと同一視されてるのよ。知ってた?」
キルケはワル達に座ったらと言って諭した。
「でも私はあなた達の仲間になる気なんてさらさらないけどね。」
キルケは席から立ちあがってワル3人に釘を刺すと食事を取りに歩いて行った。
「なぁ、キルケの父親の双子の姉がアルテミスだって?嘘だろ?だって女子寮のルームメイトにアルテミスの名前があったぞ。」
エリゴスは首をかしげて2人に聞いた。
「でもよ~姉はアルテミスで妹がセレーネーって何だ?本人に直接聞いた方がよさそうだな。」
ワル3人はキルケがやって来ると”俺達は向こうで食べるから”と離れて行った。
「あっそ、勝手にすれば。」
キルケはどさっとトレイをテーブルに置いて食事を始めた。
「ねえ、オデュッセウスったら聞いてるの?」
キルケの前には恋人のオデュッセウスがいたが、まるで聞く耳を持たず静かに食事をしているだけであった。