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時と光と風の中で

第9章 冬休みがやってくる!!~冬の中の最高の思い出~


みんなは実演販売を暫く見ていることにした。
「まず最初に豚を炉辺に立たせます。」
女性店員はそう言って薪木を容赦もない青銅(の刃)で、断ち割ると薪木を炉辺に置いて火をつけ、豚を立たせたのだ。
「うわ~。」
みんなはすっかり実演販売に夢中となった。
「次に白い牙の豚の頭の毛を切り取って、火中に投じつ、ありとある神々に対(むか)い、祈願しつづけましょう。これは豚の下処理ですね。」
店員は手際よく豚の牙をもぎ取るとみんなに牙を見せつけた。
「豚の牙は大きいですね。さて燃え残りの樫の薪がここにあります。これをふりかざして、一撃ちします。それで身体の毛を焼いて取り、切り剖(さ)き 解きほぐしましょう。その生肉をかの豚飼が、まず四肢から はじめて切り取り、よく肥えた脂肉(あぶらみ)の中へ並べて包み、挽き割りの麦の粉をふりかけといてから、火中に投じますよ。」
店員は説明しながら豚の皮をはぎ麦の子を振りかけた。
「うっ・・・。」
ケンタウロス達もさすがに豚の皮を剥ぐところは見ていられないようで口に手を押さえていた。
「次には皆して残りの部分を細かに切り、焼き串にさし貫きます。ここまではお分かりいただけたでしょうか?」
すると誰かが手を挙げて”忘れるといけないのでレシピが欲しいのですが”と言った。
「はい、レシピは後でお配りしますよ。ご安心くださいね。さて実演の続きにまいりましょう。えっと豚を火にかけてからよく気をつけて炙りあげ、上がるとそっくり火から降して下さい。」
店員はにっこり笑顔で答え実演を続けた。こうして実演が進むにつれてだんだんいい匂いがしてきた。
「おいしそう~。」
ディオがごくりとつばを飲み込んだ。
「それから豚を焼いている間にソースを作ります。オリーブ油と蜂蜜を混ぜていきます。そこに果実を加えていきます。今日はイチジクを使っていきましょう。」
「すみません、イチジクの皮はどうやって剥くのですか?」
そこにケンタウロスが質問した。
「それではイチジクの皮の剥き方を教えますね。まずはへたの部分を持ってそのまま皮を剥きます。そしてめくるように剥いていきます。果肉を食べますが皮の薄い部分も食べられますよ。」
「教えてくださりありがとうございます。」
ケンタウロスは笑顔でお礼を言うと”もうすぐ完成ですか?”と聞いた。
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