第8章 テスト勉強は大変であ~る!!
「何だよ!今に見てろよ。」
ワル達はウンディーネに間違えを指摘されて憤慨して教室を出て行った。
その様子をみんなで笑っていると3時間目のテストの時間がやってきた。これを過ぎればお昼の時間となる。そしてお昼を挟んで4時間目が行われるのである。
3時間目の体練術は筆記試験であった。ここでは試合のやり方や試合に必要な道具の名前が問われた。
そしてお昼を挟んで4時間目は社交儀礼(祭典の仕切り方も)が行われた。この試験は実技のため緊張感が漂っていた。
「みなさん、後期のテストは実技となります。課題はリュトンの正しい注ぎ方です。これから1人1人前に来て実演してもらいます。他の方が課題に取り組んでいる際は声を上げず拍手や歓声も上げないこと。静かに見学していてください。これはテストなので真剣に取り組んでくださいね。制限時間は10分とします。それ以上の時間がかかってオーバーした場合は失格となり再テストになりますので注意してください。時間は私がお知らせします。それでは、みなさん準備はいいですか?」
アクテー 先生が教壇に立ち生徒達にテストについて簡単に説明した。
「はい。」
「では最初にエリゴス君前へどうぞ!」
最初に呼ばれたのはエリゴスだった。テストが済んでしまえばあとは結果を待つだけなので少し気は楽になるが中々順番が来ないと緊張感が抜けず手足が少し震える。
エリゴスはぎこちなかったものの10分間をやり終えた。
「次はユニ君どうぞ!」
次にユニが呼ばれた。ケンタウロスは頑張って!と小さく彼に声をかけてその場を見守った。ユニは壇上に上がると手際よく進めていき10分間をやり終えた。そして次に名前が呼ばれたのはウンディーネだった。彼女も難なくクリア。そして次に名前が呼ばれたのは・・・。
「お次はケンタウロス君どうぞ。」
アクテー 先生に呼ばれ壇上に立ち一礼すると早速課題に取り掛かった。
リュトン(rhyton)は古代の器の一種で、角杯(かくはい)ともいう。角状または鹿・山猫・羊・山羊などの動物の頭部を模した形の杯で、上部に大きな注入孔、底部または突端部に小さな流出孔がある。素材として主に用いられたのは獣角・金属・石・木・陶器などである。
本来はリュトンを高々と掲げて、お酒を給仕するのが正解だが学校ではお酒の代わりにお水を使用してテストが行われた。