第7章 恋の策謀事件(下)
アフロディティーとマールスの食べたお菓子には睡眠薬が入っており食べた2人はすっかり眠ってしまった。ヘルメスとヘファイストスは事務局に飼っていたペットが逃げ出したから探したいと嘯いた。眠っている2人を抱えてあかも起きているように見せかけていた。アフロロディティーは前髪で顔を隠しマールスはマントを着せていたため事務局の方も気がつかなかったという。そしてその眠った2人を森に連れて行き特性な網で2人を縛り付けたのである。眠ったまま2人の首は占められ2人が抱き合っているような格好をさせて特性の網でごまかしていた。それからは平然と日々を過ごし気がつかれないようにしていたという。
「バレたなら仕方のないことさ。でも秘密を知ったからにはこのままでは済ませないぞ。」
ヘルメスはそう言って誰かを呼んだ。するとそこに1人の男が現れたのだ。
「バルログ!?貴様何故ここに?」
ミカエルがひどく驚いた。
バルログとはマフディーの僕だと名乗る者。七導士の生き残りである。既に肉体的には死んでおり、マラクスの医術でゾンビのような状態で生きている。そのため、体の半分を斬られても死ぬことがない。両目は失っているが、千里眼を持ち、敵の行動の先を読むことができる。
「お前達がここに来ることもわかっていたからな。」
バルログはそう言うとヘルメスにケンタウロス達をやっつけるように命じた。
「お前はどうせ女王様の言いつけでやってきたんだろう?」
ミカエルがバルログに聞いた。
「その通りだね。さすがはミカエル君。」
バルログは不気味な笑い声をあげた。そしてケンタウロスに襲い掛かった。
「危ない!!」
そこに双子のハルファス&マルファスも加わって争いは激しさを増した。
「私達を騙したなんて卑怯よ。」
ウンディーネがヘファイストスと闘いながら叫んだ。
「どっちが卑怯だって?お前らの方だろう?」
しかしあの戦いのようには上手くいかない。なぜならバルログは強敵だからである。
「こんなんじゃ勝てないよ。」
みんなが必死に戦っても行動をすべて読まれてしまったため彼に勝つ方法を必死に探った。