第7章 恋の策謀事件(下)
「君らがヘルメスを探したいと言ったんだろう?だったらこの海に入って探すといいよ。」
「でも、もし間違っていたらあなたのせいよ。」
ウンディーネはヘファイスと酢に鋭い目を向けた。
「その目は何だ?協力してやってるこっちの身にもなってくれよ。」
ヘファイストスはウンディーネの顎を掴むと不気味な笑みを浮かべた。この時ウンディーネは恐怖を感じ顔を強ばらせた。
「あなたって人は?」
ヘファイストスはウンディーネを後ろに追いやり海に突き落とそうとしていた。
「でもなんで天使でもないヘルメスがこんな海に入ったんだよ?それに君だってアキレーに騙されたのに海に入らなかったのは何故だ?」
ディオがヘファイストスに聞いた。
「僕は彼と違って育ちがいいんで海に入らなくても悪魔の仲間に入れてもらったのさ。彼はお人好しだからね。何もwからに入ったんだろうよ。それに彼は伝令使だからね。伝令使でも入ることができたのさ。」
ヘファイストスはそう笑って言うとウンディーネの顎から手を離した。
「きゃあああ。」
「ウンディーネ!!」
その拍子でウンディーネが海から落ちそうになったのでケンタウロスがそれを食い止めた。
「何もここまでしなくたっていいじゃないか?それと犯人はヘルメス1人ってことになるな。」
ディオがそういった時誰かが走っていくのが見えた。
「おーい!!」
「ミカエルだわ。」
ウンディーネは彼に手を振った。
「ちっ邪魔が入りやがって。」
ヘファイストスは舌打ちをしてその場を去っていこうとした。
「待ちたまえ。お前のしたことはわかっているんだ。アフロディティーとマールスを殺したのはお前だな。」
「何だって?」
ケンタウロス達はミカエルの言葉にひどく驚いた。
「だってヘルメスがやったんじゃあ?」
ケンタウロスがミカエルに聞いた。
「サンダルを盗んだのは確かにヘルメスだ。しかし殺したのは2人でやったんだろう?白状したらどうなんだ?」
ミカエルはヘファイストスを捕まえて彼に聞いた。
「どうしてこんなことをしたんだ?」
するとヘファイストスはやっと本当のことを話してくれたのである。
「ヘルメスだって彼女の魅力に取り付かれていた。それは僕も同じだったのさ。僕だって彼女に散々アピールしてきたがこの醜さを嫌っていた彼女がだんだ許せなくなってんだ。」
ヘファイストスは静かにそう語って話を続けた。