第7章 恋の策謀事件(下)
ミカエルがお城を抜けてジャイアントヒルの森の中に入るとマギーとラハブが横たわってた。
「2人とも大丈夫か?」
「ええ、私達は大丈夫よ。ただ、憲兵隊を倒すのが大変だったわ。女王様の策略に違いないわね。」
マギーはそう言ったが疲れている様子だった。
「それでウンディーネ達はどこに行ったのかい?」
ミカエルはマギーに聞いた。
「戦地だった場所へ走っていったわ。」
「ありがとう。」
ミカエルはマギーにお礼を言って走り出した。
「おーい。」
やがて戦地だった場所へたどり着くと力の限り叫んだ。
「どこへ行ったんだ?これは?」
ミカエルが足元を見るとここに竜巻が起こったことが記された紙切れが落ちていた。
「竜巻?変だな・・・。」
もしかしたらウンディーネ達も巻き込まれたのでは?とミカエルは心配でならなかった。
ミカエルはこの時は知る由もなかった。自分も竜巻に巻き込まれるなんて。
ウンディーネ達を巻き込んだ竜巻はまだかすかにのこていたのである。その竜巻はミカエルを飲み込んでいった。
「ここはブレストハーバーじゃないか?何故ここに?」
ミカエルは不思議に思ったがウンディーネ達もここにたどり着いたのかと思い走り出した。
「ここの海に巻き込まれていなければいいけどな。」
不安と焦りが体の中を走る。一刻も早く彼女を見つけて話さなければ!とミカエルの頭の中はそのことで一杯だった。
そしてケンタウロス達はヘファイストスとともにヘルメスの行方を追っていた。
「ねえ、ヘファイストス。本当にここであってるの?」
「わからない。でもそんな気がするのさ。」
ヘファイストスはみんなをある場所へ誘導した。
「ここはあの赤い海だわ。」
ウンディーネがぞっと体を震わせた。
「そうだよ。彼もこの海に入って悪魔となったのさ。もしかしたら彼もまだここにいるんじゃないか?」
「嘘だ。だってウンディーネの話だと天使が落ちた海だって言っていたぞ。」
ケンタウロスがヘファイストスに歯向かって言った。
「だったら天使で試せばいいじゃないか。そこのキューピッド君!海に入ってもらおう。」
「え?キューピッド?」
みんなが空を見上げるとキューピッドとユニの姿があった。
「何で僕が海に入らなきゃいけなんだよ。それに悪魔になるための海だろう?僕は悪魔になんかなりたくないやい!」
キューピッドはひどく反発した。