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時と光と風の中で

第7章  恋の策謀事件(下)


「ここは戦っていた戦地の場所だね。こんなに変わっていたなんて。」
ケンタウロスがそう言って先に進んだ。
「みんなも早く!!」
みんなもケンタウロスに続いて走り出した。走っても走っても先の見えない大地にみんなが疲れきっていた。すると竜巻が突然起こりみんなを飲み込んでいった。
「うわあああー。」

「あれ?ここは?」
気が付くと見知らぬ町にたどり着いていた。
「ここはどこかしら?」
無味があるということは港町だろうか?それにしても海がこんなに赤いなんて驚きである。
「うわああ、海が赤いよ。」
ディオが赤い海を見て叫んだ。
「これはもしかしてブルードコーストじゃないかしら?」
ウンディーネが赤い海をまじまじ見て言った。
「何それ?」
みんなはウンディーネに聞いた。
「ブルードコーストとはガルムが住む、大陸の北にある地域のことよ。『卵を孕む海岸』という意味があり、ここにはその由来になった酸化鉄によって真っ赤になった海岸があるって聞いたことがあるわ。そして神によって首を切られた天使がここの海岸に落ちて海は赤く染まり、そこから悪魔が次々に生まれた、という伝説があるのよ。多分この海岸で間違いなさそうね。」
ウンディーネはみんなに説明すると町を調べてみようと促して歩き出した。
「なあ、さっき言っていたガルムって誰だ?」
ディオが歩きながらウンディーネに聞いた。
「ええ、ガルムとは ブルードコーストに住む闇祓いなのよ。ミカエルの話だと彼が使っていた2つの魔剣を作った人物でもあるそうよ。ミカエルもラハブに聞くまではその存在を知らなかったほど闇の世界で生きてきた人で、その存在を知るのは死者のみとまで言われたんですって。しかし、その衰えには勝てず、エイラによってあっさり殺されたそうよ。」
「エイラってあの 30年前に行方不明になった七大太公の1人の?」
ディオがウンディーネに聞いた。
「その通りよ。今日のディオは冴えているわね。」
ケンタウロス達がたどり着いたのはブルードコーストの中にあるブレストハーバーという港町だ。ここはクロウリーがエイラ太公復活のために生贄を送っていた港町である。

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