第7章 恋の策謀事件(下)
ジャイアントヒルとはミカエルがサルトルに育てられた場所。退魔師の間ではミカエルがここで育ったということで有名。サルトルは今でもここに住んでいる。
かつて9000匹の竜を従えていたとされる場所で、黄金の民もここだけは落とせなかったという森である。
「竜が住んでいた跡がたくさんあるわね。」
ガイアが森を見回して言った。
森の中にはところどころ穴が空いていた。ここが竜の住処だったのだろうか?
「ここには9000匹の竜が住んでいたそうよ。」
「9000匹!?」
ウンディーネの言葉にみんなが驚いた。
「先に進みましょう。」
しばらく先に進むと森の中でケンタウロスが何かを見つけた。
「これは・・・ヘファイストスの勲章のペンダントだ。」
ケンタウロスが拾ったのはヘファイストスがいつも身に付けけていたペンダントであった。
「近くにいるかも知れないわね。みんな気をつけて。」
「ウンディーネ、僕とユニは空から探索するよ。」
キューピッドがウンディーネに提案した。
「わかったわ。何か異変があったら知らせてね。」
「任せといて!!」
キューピッドとユニはこうして空を飛んで行った。
ケンタウロス達はヘファイストスのペンダントを手に森の中を進んで行った。
すると後ろから声が聞こえたのだ。
「お前達の活躍もそこまでだ。」
「誰!?」
後ろを振り返ると憲兵隊が武器を手にケンタウロス達に襲いかかろうとしていた。
「危ない!!こっちよ。」
「なんだ貴様は?ってマギー!!」
するとそこにマギーが現れケンタウロス達を誘導した。
「マギーさん!!」
ケンタウロスはいいタイミングで出てきた彼女に感謝した。
「話はミカエルから聞いたわ。あとは任せて!!あなた達は先に進んで。」
「わかりました。ありがとうございます。」
マギーはラハブを連れてきていたのだ。そしてケンタウロス達はマギーらにお礼を言って先へ進むことにした。
ラハブとは元教会の退魔師団の兵士だったが、ウリエルと一緒に教会を抜けて暮らしてきた。
冠翼の聖天使の事情にも詳しく、また戦闘力も高い。村人たちからの評判も高い。
ウリエルを失ったことで最終決戦への決意を固め、法王となった人である。
森を抜けると戦いが行われた場所にたどり着いた。そこはもうあの時見た草原は無くなており草木も枯れていた。