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時と光と風の中で

第7章  恋の策謀事件(下)


暫くして剣が完成するとウンディーネとディオは彼らにお礼を言って剣を受け取りミカエルの元へと走った。
「急がないと時間がないわ。」
不滅の月が迫っていた。急いでこの剣をミカエルに渡さなければならない。

嵐のように人々が通り過ぎて行き風のようなスピードで一目散で2人は走って行った。
「ミカエル!?」
ウンディーネはミカエルを見つけると剣を差し出した。
「六大六芒星魔術式のみんなが作ってくれたのよ。」
「ありがとう。」
ミカエルは笑顔で剣を受け取るとアキレーに襲いかかった。

彼は、素早く魔法円を詠唱し、眼前に迫る悪魔達に狙いを定めた。

そいつを一撃で嵐の中に封じ込めると、横手から現れたもう一体に向き直り、更に呪文を詠唱する。
 
森の奥から、続々と新手の悪魔達が出てくる。

 彼の眼前に迫る悪魔達。
 

 魔法円、詠唱する。
 
 円が一気に輪が広がる。

 悪魔が飲み込まれる。

 横からもう一人。
 いや・・・それだけではない。

 森の奥から続々と。

 キリがない!

そこでウンディーネが口から水を吐いて川を作り悪魔達を蹴散らすのに成功した。ガイアが大地を轟かせディオも必死に戦った。
「やるじゃないか。」
アキレーはそう言って笑った。
「そう笑っていられるのも今のうちだぞ。」
ミカエルはアキレーに言葉を返した。
「それはどうかな?なっ何!?」
ミカエルはアキレーに向かって剣を振りかざした。
「うをおおおおー!」
負けじとアキレーも体を変形させてミカエルに迫った。
 体を自由自在に変形でき、魔法も効きにくい体質をしている、とされてきたアキレーに異変が起こったのだ。

ミカエルは無我夢中で剣を振りかざし宙を舞っていた。そしてアキレーの心臓へめがけて一直線に剣を突き刺したのである。
グサッ!!

それと同時にアキレーの体から血が溢れ出した。
ドロドロッ。

「うわああ。」
ワル3人が慌てて駆けつけた時には既に遅くアキレーはその場にどさっと倒れ込んだ。
するとアキレーの体から血が吸い取られるように異変が起きて彼の体が氷で覆われた。

そう、彼はミカエルの魔剣の力で凍らせられて倒されたのだ。
「やったー!」
ケンタウロスは倒れた彼を見て喜びのあまりに叫んでしまった。
「何てことをしてくるんだ。」
ワル達はひどく憤慨してアキレーに駆け寄った。
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