第7章 恋の策謀事件(下)
「心を開くだって?笑わせるのもいい加減にしてもらいたいね。」
ワル3人が嘲笑った。それを見たディオが”もういいだろう?ウンディーネの腕を離せよ”とワル達に叫んだ。そしてさっとウンディーネの腕を取ると足早に駆けて行った。
「今に見てろよ!」
去っていく2人を見てワル3人が睨みつけた。
ウンディーネとディオはルシファーを探しに歩き回った。
「これだけ大勢の人がいると探すのも大変ね。」
ウンディーネがそう呆れているとどこからか声がした。
「ルシファーこれでいいかい?」
「ルシファーだって?」
ウンディーネとディオは声のする方に駆けて行った。
「あの、あなたがルシファーさんですか?」
ウンディーネが男の存在を確認した。
「ああ、そうだ。それで何の用だね?」
ルシファーは頷いた。
「私達は冠翼の聖天使が持つとされる鍵を必要としてるんです。それでいろんな方に聞いたらルシファーさんが持ってると聞きました。今ミカエルがアキレーと戦っています。ミカエルがアキレーに勝つためには強力な剣が必要でその鍵がないと作れないんです。どうか鍵をくださらないでしょうか?」
ウンディーネの言葉にディオも続けて頭を下げた。
「いいだろう。」
ルシファーは鍵を渡してくれた。そしてウンディーネが鍵を受け取りお礼を言ってディオと元来た道を戻ることにした。
「こんな簡単にもらっちゃっていいのかな?」
ディオは何か罠ではないかと首をかしげたがウンディーネは”そんなんの気にしていられないでしょ”と言って足早に歩くようにディオを急かせた。
そして六大六芒星魔術式に鍵を渡すと彼らは早速剣を作るのに取り掛かった。
「これで一安心ね。」
「でも犯人を見つけるまで帰れないぞ。」
「そうね。一体誰がやったのかしら。早く見つかるといいけれど。」
2人はそう話しながらもミカエルやケンタウロスのことが心配でならなかった。