第7章 恋の策謀事件(下)
先に六大六芒星魔術式に着いたのはディオであった。
「剣の制作は進んでいますか?」
ディオは息を切らした後みんなに聞いた。
「それがあと1つ足りないんだよ。」
ネクロマンシーが首を横に振り深いため息をついた。
「このままじゃ間に合わなくなってしまう。」
「何が足りないんですか?」
「鍵だよ。」
ソーサリーが頭を掻いた。
「鍵ですか?」
ディオはひどく驚いていた。
「そうだよ。でもただの鍵じゃないんだ。冠翼の聖天使として神の力を振るうために必要なものさ。後これさえ手に入ればいいんだけどなあ。」
ソーサリーが続けてこう言った時ウンディーネも到着して簡易建物の中に入ってきた。
「鍵がなんですって?」
「ちょうどよかった、ウンディーネ。君に聞きたいことがあるんだけど魔剣を作るには冠翼の聖天使の鍵が必要らしいんだ。でも冠翼の聖天使って誰だ?」
ディオはウンディーネが来て良かったと胸をなでおろした。
「いいわ、教えてあげる。冠翼の聖天使とは神から授かった翼を冠した聖天使という意味を持つ、神に匹敵する力を持った者のことよ。冠翼の聖天使と呼ばれている方はたくさんいるけれど中でも有名なのがウリエルよ。唯一女性の冠翼の聖天使なの。そしてガブリエルは最強の強さを持つ冠翼の聖天使よ。あとはミカエルもそうね。でも彼は鍵は持ってないそうよ。」
「どうして?」
ディオがウンディーネに聞いた。
「彼は自ら扉の力をこじ開け、鍵を必要としなかったんですって。そう彼が話してくれたの。だからミカエルは違うってことになるわね。」
「なるほど。」
「それからルシファーは別名『光をもたらす者』と呼ばれる存在で、聖天使を創りだしたとされ、その遺書には聖天使の殺し方などの聖天使に関する全てが彼の記憶として封印されていたらしいわ。そしてラファエル=ハウラーもそのうちの1人ね。ラファエルについては詳しくは知らないわ。まあ、私が知っているのはこんなところかしらね?」
ウンディーネは肩をすくめて言った。
「ウンディーネはやっぱりすごいよ。」
ディオは感心して彼女の説明を聞いていた。