第7章 恋の策謀事件(下)
呪いそのものはさほど大掛かりではない。 劇中では『鍵』を得、聖天使として覚醒したウリエルが聖天使ガブリエル抹殺に使用、その心臓付近に見事呪いを籠めたティアマト特性の鉄短刀を打ち込むも僅かにガブリエル崩壊には届かなかった。それでもガブリエルは数ヶ月以内に崩壊してしまうし、もう一度同じ呪いを受ければ瞬時に灰と化すのだ。
これを作り出すには『識』が必要なのである。『鍵』を得た聖天使でなければならないとの事。またこの呪いを籠められる触媒はティアマトと呼ばれる種族が作り出せる魔力喰らいのブルードコーストの鉄だけ。 ここまでの準備をしなければ使えない呪いでありながらその構造は意外と単純で対象の魔力を以って対象を滅するというものである。
冠翼の聖天使として神の力を振るうために必要なものだ。具体的には示されていないが、自らが慕う誰かの命、のように思われる。ウリエルはアリエル、ラファエルはルリアだった。ガブリエルはリリスもしくは母親。いないことも考えられる。ミカエルはマギーだと思われたが、自ら扉の力をこじ開け、鍵を必要としなかった。
ということは鍵を持っているのは ウリエル、アリエル、ラファエルそしてルリアの4人うちの誰かである。
★ルリア
ラファエルの義理の妹。ラファエルと血がつながっていないことはつい最近知った。ラファエルとはいつも憎まれ口を叩き合う仲。彼女なりにラファエルのことは兄として好きらしい。
★ウリエル
唯一女性の冠翼の聖天使である。聖天使として教会に捕らえられた後にラハブに引き取られ、育てられた。ガブリエルと同様聖天使として完全に覚醒していたが、ガブリエルの力には及んでいなかった。
幼い頃に亡くした姉が鍵となって聖天使として完全に覚醒した。無口だが芯はしっかりしている。
★ラファエル=ハウラー
教会で退魔竜騎兵として育てられた冠翼の聖天使だ。額に真紅の十字星があるが、それは冠翼の紋章が刻めないようになっているからなのかどうかは不明。
両親を殺されたショックから5歳以前の記憶を失っているので、本人に自分が冠翼の聖天使だという自覚はない。
しかし、両親とルリアを殺されたことで聖天使として覚醒した。
アリエルとはウリエルの姉のアニエルのことだろうか?
ここからわかるのはルリアではないということだ。だとしたら一体・・・?