第7章 恋の策謀事件(下)
ウンディーネはミカエルと一緒に戦っていた。
戦いの場所はジャイアントヒルより少し離れた森を抜けた大地だ。
「なんて手強い相手なのかしら?あっケンタウロスだわ。どうしたの?」
そこにケンタウロスがやって来た。
「さっきディオが助けが必要としてる人が居るって出ていったけど誰かとぶつかったんだ。それがヘファイストスのような気がしてならないんだけど。」
ケンタウロスは手短に話した。
「わかったわ。私は後を追うからケンタウロスはここで戦っていてくれる?」
「了解です!!」
ウンディーネはケンタウロスにお礼を言ってその場を走り去った。
★六大(りくだい)六亡星魔術式
悪魔狩りの世界において未だ人類の力では行使することが不可能とされている『魔法』 製作者は『光をもたらす者』ことルシファーで、ルシファー本人が『作り』出した四人の聖天使に対して壮絶な効果を及ぼす、非常に強力な『呪い』 悪魔狩りにおける『魔法』の定義は基本として『五大』まず『地を司るネクロマンシー』『水を司るテンペストリー』『火を司るソーサリー』『風を司るテウルギー』の四つは四大元素とし自然界の成り立ちを表している。
それを組み合わせ、安定させる為に五番目の要素である『宇宙の虚無を表す“空”』を加えて五大とする。悪魔狩り世界における魔法・魔術の基本体系はこの五大からなる。と言うよりも人の身では五大使用の魔法が限界で、薪に火を点ける魔法を作ろうとしたものでも多くの人が死んでしまったらしい。魔法と言うのは製作が非常に困難であるということ。 ルシファーの組んだこの六大六芒星魔術式には六つ目の元素『識』が織り込まれている。この『識』は人類にとって未だ未知の力であり、神の意思を司るものとまで言われているらしい。曰く、『識』は宇宙に存在する全ての力を操作制御することが出来、神の様にまったく新しい力を創造する事さえ可能だという。 この呪いを実行する為には呪いを与える対象とまったく同じ魔力機構が必須であり、『鍵』を得た聖天使でなければならないとの事。またこの呪いを籠められる触媒はティアマトと呼ばれる種族が作り出せる魔力喰らいのブルードコーストの鉄だけ。 ここまでの準備をしなければ使えない呪いでありながらその構造は意外と単純で対象の魔力を以って対象を滅するというものである。