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時と光と風の中で

第7章  恋の策謀事件(下)


時は流れケンタウロス達はケセフの館へ来ていた。ケセフが黄金の民が使った魔術を研究するために建てた館だ。ガブリエルは一時期ここを拠点として動いていた。
「誰かいませんか?」
みんなで重たいドアを開けて中に入る。
「どちら様ですか?」
するとそこに背の高い男性が出てきた。双子が説明すると男性はみんなを中に入れてくれた。
「なるほどねー。軍隊が必要か。わかった、手配しよう。」
男性はそう言って窓の外を見つめた。
「でも戦うには期限がある。不滅の月って知ってるかい?」
「知りません。教えてください。」
ケンタウロス、ディオ、ガイアが口を揃えた。
「ガブリエルが大陸中の地脈に呪いをかけて呼び出した決して欠けることのない、沈むことのない月のことだよ。不滅の月がある限り、生命の力を満たす満月の力で、あらゆる生命は己の魔力を制御できなくなってしまう。だからそれまでに軍勢を集めて剣を手にするんだ。」
「その月の日はいつなんですか?」
ケンタウロスが不安になって男性に聞いた。
「あと一週間後だ。」
男性はぽつりと言った。
「ええ?1週間でお城を作るなんて無理ですよ。」
ガイアは事実を聞いて驚き腰を抜かしそうになった。
「作戦は変更だな。城は作らないが軍勢は集めるぞ。」
「おー。」
みんなは手を合わせて意気込んだ。
それから一週間はとにかく軍勢を集めた。ユニとキューピッドも空から情報を知らせてミカエルも回復した。
あとは剣を作らなくてはいけない。期限は1週間だ。そこで双子は”六大六芒星魔術式”を呼んで材料を集めさせて剣を作ることにした。もちろんケンタウロス達も協力した。
「未だ人類の力では使いこなせないとされる魔法なのさ。地を司るネクロマンシー、水を司るテンペストリー、火を司るソーサリー、風を司るテウルギー、それを合わせて制御するのが空だ。それに神の知識を司る識を加えて六大さなるが、人が扱えるのは五大までとされる。ウリエルがガブリエルにかけた呪いにはこの魔法が使われたと言われている。これならミカエルも怖いもの無しだろう。」
ハルファスが自信たっぷりにこう言うのでみんなは彼を信じることにした。
こうして決戦の時が近づいていた。



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