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時と光と風の中で

第2章 真実とは何か?


翌日、留学生達は新聞記者やインタビューに追われ丁寧に受け答えしていた。この様子をウンディーネは見ていたが声を掛けようにも掛けられないもどかしさに駆られていた。
「今は無理なんじゃない?諦めたら?」
ケンタウロスの問いかけに渋々諦めたウンディーネは大きなため息をついた。
「だってこのチャンスを逃したくないもの。」
ウンディーネは彼女達に張り紙事件のことで聞き出せないかと思っていたがダメだった。そこで授業終わりに彼女達に話をしようと放課後を待ったウンディーネは驚愕の光景を目の当たりにした。
「え?どうしてアマイモンがそこにいるの・・・嘘でしょう?」
ウンディーネは言葉を失いかけた。
アマイモンがアストライアーを追い駆けているところだったからだ。
ウンディーネは険しい表情でアマイモンの方へ駆け出そうとした。
「なんで、あく・・・。」
ウンディーネが悪魔と言いかけたその時、背後から彼女の口が塞がれた。
「お前は黙ってろ!」
エリゴスがウンディーネを引っ張って遠くへ連れて行くとサタンが召喚魔術を使い魔物を出して彼女を気絶させた。
そこに通りかかったヘルメスがウンディーネが気絶しているのを見て叫び声をあげた。
「うわあああ。」
「何か今誰か叫びませんでしたの?」
その声に驚いたアストライアーは目をぎょっとさせてアマイモンの方を向いたが”気のせいじゃないの?”とアマイモンは軽くその場を流した。
「そうかしら・・・。」
そんな不思議そうな顔をしているアストライアーの遠くでサタン達は他の生徒にこのことがバレてはいけないとヘルメスに召喚魔法を使って彼も気絶させた。
と、その時だ。
「今すぐにやめなさい!」
そこにガイアとアフロディティーがサタン達の前に現れて彼らに立ち向かった。
「あら、あなたはルシファーなの?」
ガイアがサタンを見て驚いて言った。
「そんな名前は既に捨てたね。」
サタンは暴言を吐くように言った。
「やめなさい!今すぐに気絶した2人を元に戻しなさいよ。」
ガイアは今にも泣きそうな声で叫んだ。そこにアストライアーが通り掛かろうとしていた。
「こちらへどうぞ。」
アマイモンはガイア達の方を避けて通ろうとしたが、アストライアーがあまりにも強く不信感を募らせた為どうする事も出来なかった。アマイモンは手遅れだったのである。その時には既にアストライアーが悲鳴を上げていたから。


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