第2章 真実とは何か?
新しく来た女神達はそれぞれ自己紹介をした後、彼女達のホーラ族について語ってくれた。そんな彼女達の話に生徒達はみんな聞き入り盛大な拍手を送った。
「凄いな~。」
ケンタウロスが感心して言った。
「季節を司るって事は春は春の女神様、夏は夏の女神様がいるってことだろう?」
キューピッドが彼女達の話をまとめて言った。
「他のホーラの一族の方も美人なんだろうな~。」
ユニがそう言って舌なめずりをしたのでディオがユニに注意した。
「お前下心見え見えだって!」
「そうか?」
ユニはあっさりそう答えた。
そんなケンタウロス達から遠く離れたテーブルにワルの3人は頬杖をついて座って遠くの彼女達を眺めた。
ふんっと、サタンが鼻を鳴らしてるのに対しアマイモンは急におとなしくなった。
「どうしたんだよ?アマイモン?」
エリゴスがアマイモンの様子を伺った。
「別に。」
アマイモンは項垂れて下を向いた。そんな彼の頬は少し赤く染まっていた。
「恋の季節か。そうだろう、アマイモン?」
サタンがアマイモンをそう冷やかしたのでムキになって違うと否定した。
「で、アマイモンはどの子がタイプなんだよ?」
サタンは続けて聞いた。
「えっと・・・。」
アマイモンは恥ずかしそうにサタンの耳元で囁いた。
「アストライアーだって?正義の女神って俺達と真逆じゃねーかよ。」
サタンは驚いて大きい声を出した。
「やめろよ。声が大きって。」
「すまん、すまん。」
そんな話をしていると女神達がこちらにやって来た。その中の一人アストライアーは天使の翼が生えた美しい女神の一人だ。
「私の事アストラって呼んで下さる?」
彼女に見つめられアマイモンは”はい!!”と大きな声で立ち上がった。
「よかったら僕が学校を案内しますよ。」
「まあ、それは頼もしいわね。」
アストラがくすりと笑って去っていった。
アマイモンは今まで人を好きになった事など一度もなかった。なので初めての感情にひどく戸惑っていた。
「どうしよう。僕が悪魔と知ったら彼女に嫌われるんだろうか。」
去っていく彼女に冷たい目線を送りながらアマイモンは呟いた。
「大丈夫だって。俺達なら何だってできるだろう?頑張れよ。」
仲間の2人に背中を押されてアマイモンは”うん”と頷いた。