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時と光と風の中で

第7章  恋の策謀事件(下)


ここで双子の2人を紹介しておこう。
★マルファス

『ゴエティア』によると、地獄の40の軍団を率いる序列39番の強大な大総裁。

カラスの姿で現れるが、要求に応じて人間の姿を採った時にはしゃがれ声で話すとされる。建築術に優れ、家屋や塔などを建造する力を持ち、また敵の願望や思惑、その実行度合についての情報をもたらすこともできる。この場合の家屋、塔というのは城塞都市を指す。また優れた使い魔を与えてくれる。生贄を捧げた場合には嬉しそうに受け取るが、かえって不誠実になってしまうという油断ならない性質を持つといわれる。

ハルファスとは名が似ており共通の権能も持つためか混同されることがあり、たとえばコラン・ド・プランシーも『地獄の辞典』でハルファスはマルファスと同一であろうという見解を述べている。

★ハルファス
ハルファス (Halphas) は、悪魔学における悪魔の一人。ハルパス (Halpas)、マルサス (Malthus, Malthas, Malthous)とも呼ばれる。

『ゴエティア』では72人の魔神の一人で、序列38番の地獄の伯爵である。『悪魔の偽王国』および『ゴエティア』によると26の軍団を率いるという。

召喚されると、ヒメモリバトまたはコウノトリの姿で現れ、しわがれた声で話すという。塔、あるいは町を建設し、武器弾薬で満たす力を持つ。また、軍勢を命じられた場所に送り込むこともできる。

共通する権能を持つことから、同じく『悪魔の偽王国』および『ゴエティア』で列挙されるマルファスという名の悪魔と同一視されることがある。

※『ゴエティア』 (Goetia)は、17世紀から伝わる作者不明のグリモワール『レメゲトン』の第一書の表題である。カナ表記には『ゲーティア』、『ゴーティア』、『ゴエティア』があるが、ここではラテン語読みに準じた表記を用いる。現代英語では「ゴイーシャ」のような発音になる。


「奴らが何をするのかわからないから26の軍団を引き連れる必要があるな。」
双子は口を揃えて言った。
「でもどうやって集めるんですか?」
ガイアが不安そうに双子に聞いた。
「まずは悪魔の偽王国を作ってそれから考えよう。兄は建築に優れているから偽の城を作ってもらおう。」
ハルファスが悪の笑みを浮かべて言った。
「任せといて!!」
こうして大掛かりな作戦が始まった。



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