第7章 恋の策謀事件(下)
一方ケンタウロス達はアキーレのことで何か聞き出せないかと先を急いでいた。その時ケンタウロスは誰かにぶつかってしまった。
「すみません。」
「いえ、こちらこそ。あらあなた達は見かけない顔ね?」
ケンタウロスはぶつかった女性に聞かれてぎくりと顔を強張らせた。するとすかさずウンディーネが答えた。
「あらずっとこの城にいたわよ。ねえ?」
ウンディーネの言葉にケンタウロスとディオは頷いた。
「そうだったかしら?」
そして彼女と話していくうちに彼女がマーガレット=ガルシア通称マギーという女性であることがわかった。幼い頃レイテルで12人の孤児達と一緒にガルシア神父に育てられた女性だ。レイテルで戦争が起こる直前、エバプールに養女に出されて医者になった。最年少で医者として最高の学位『金の学士号』を受けている。それからは各地を回診してまわりながら旅を続けている。そして今はこの城に入り病原菌を研究しているのだ。
「すごいですね。マギーさんは最近城に入ったのですか?」
ディオがマギーに聞いた。
「そうね。」
「アキレーさんのことで何か知っていたら教えて欲しかったんですけど・・・。」
ディオはがっかりした。
「そうねえ。虐殺の道化師と呼ばれているとしか知らないわ。ごめんなさいね。」
マギーは申し訳なさそうに言って去って行った。
「でもあんまり聞き込みしていると返ってバレちゃうんじゃないかな?」
ケンタウロスがウンディーネとディオに聞いた。
「そうね。だから悪魔達の会話の中でアキレーの弱点を見つけていくしかないわね。」
3人は頷いて先に進んだ。
それから3人はいろんな人に出会った。しかしアキレーについては聞き出せなかった。こうして日が暮れて夕食の時となった。ケンタウロス達はガイア達と合流して食堂に入ったものの情報交換はまたにして別々にテーブルについた。
この日のメニュー
★大麦パン
★ゼノンに豆の入ったスープ
★干しいじじくとチーズ
★オプソン(ギリの魚と野菜の炒め物)
★クラテール(お酒なので大人のみ)子供は蜂蜜ケーキ
「なんだか学校と変わりばえしないわね。」
ウンディーネがケンタウロスとディオに囁いた。
こうして食事が運ばれ夕食が始まったのである。