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時と光と風の中で

第7章  恋の策謀事件(下)


ケンタウロス達は目の前に聳え立つお城に圧倒された。そしてこのお城にはいれないかと試みた。
「すみません。このお城はどういったお城でしょうか?」
ウンディーネがおずおずと門番に聞いた。
「どういったもこういったもないでしょう。とにかく部外者は立ち入り禁止なんでね。下がってもらいたいね。」
門番は言葉を荒げて言った。
「そうですか・・・。」
ウンディーネがみんなに”帰ろう”と促したその時だった。みんなの目の前に聳え立つお城の中からヘファイスとスとエリゴスが同時に出てきたのだ。
「あっ!ヘファイストスじゃないか。どうして君がここにいるんだい。それにエリゴス達ワルを探してたんだぞ。」
ケンタウロスが叫んだ。
エリゴスは鼻を鳴らしていたがヘファイストスは無言だった。
「ヘファイストスは何しにここに来たの?ちゃんと外出許可はもらったんでしょうね?」
ガイアがヘファイストスに聞いたが彼は無言のままだった。
「・・・・。」
「何とか言いなさいよ。」
ガイアがヘファイストスの肩を掴んで揺らしているとエリゴスがこう答えた。
「この城はイェソド女王のお気に入りの方しか入れないのさ。」
「イェソド女王?」
みんなが首をかしげた。
「君達はあれほど悪魔について調べて俺にも聞いてきたじゃないか?まったくもって知識が身についていないんだな。」
「あっ!わかったわ。イェソド女王とはこのジャイアントヒルの地下深くに暮らす竜族の女性だわ。現存する種族で最も古い種族で、大陸一の賢者とも言われているのよ。ガブリエルも一目置く存在だってあの本に書いてあったもの。」
そこにウンディーネが思い出して答えた。
「さすが君は鋭いね。まあ健闘を祈るよ。行こうぜヘファイストス。」
エリゴスは不気味な笑みを浮かべてヘファイストスと2人で去っていった。
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