第7章 恋の策謀事件(下)
アフロディティーの金のサンダルはキューピッドが持ってくれた。そしてみんなで歩き始めた。この日は日が暗くなってしまったため近くの洞穴でみんなで過ごすことにした。ウンディーネが火を灯してくれてみんなで温まり洞穴の近くの木の実を取ってきて食べて寝ることにした。みんなが寝る頃のは火は消えていた。
次の日朝食になる食材を探しながら事件の解決へと歩いて行った。
「そう言えば、アフロディティーのサンダルから紙切れが落ちたんだろう?なんて書いてあったんだっけ?」
ケンタウロスが歩きながらウンディーネとガイアに聞いた。
「えっと、これよ。」
ガイアが服のポケットから紙切れを出してケンタウロスに見せた。
「”サンダルを返して欲しければ俺の恋人になるんだな”だって?アフロディティーが相当好きだったんだな。」
「でも学校の中に部外者が入ったと言えばデマゴーグぐらいよね?」
ウンディーネが頷いた。
そこにガイアが”デマゴーグって誰?”と聞いてきたのでウンディーネが”張り紙事件の人よ”と軽く説明した。
アフロディティーのサンダルについた血痕は誰のものだったのだろうか?今なら指紋認証やDNA鑑定ができるがここは古代ギリシャなのでそれは不可能だ。そんな高度なものは開発されていないからである。だとしたら犯人探しは難問である。
みんながサンダルの件について話しながら歩いていると見慣れた奴らを見つけた。
「あれはエリゴスだわ。何故彼がここにいるの?」
ガイアが驚いて指をさした。
「あっちにはサタンとアマイモンがいるぞ。」
ディオが声を上げた。
ディオがワルに話しかけようと1歩踏み出したその時だった。
「ご苦労だったな。」
誰かがエリゴスに話しかけている。エリゴスが誰と話しているのかは霧がかかっていてよく見えなかったしほんの一瞬のできごとに過ぎなかった。
みんなが目を凝らしているとワル3人は足早に森の中へ消えてしまった。そんなワル達を追いかけるべくケンタウロス達も後に続いた。