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時と光と風の中で

第7章  恋の策謀事件(下)


そして話が終わるとキューピッドが慎重な面持ちでコットスに聞いた。
「それで弟さんはどこで見失ったのですか?」
”Επειδή η ομίχλη κρεμόταν έξω εάν δεν ξέρετε.”
「外へ出たら霧がかかっていたのでわからない。ですって。」
ウンディーネがそう訳すとコットスは大きくため息をついてヘカトンケイルと抱き合った。
「あとは弟のギューゲースだけね。私達も協力して探すわ。それで、もし見つけることができたらマールスとアフロディティーのことを教えて欲しいのだけど・・・。」
ウンディーネが2人の巨人に言うと巨人達は頷いてくれた。
巨人が3兄弟とわかったみんなは最後の兄弟を探しに歩き出した。
しばらく歩くと森の中は静まり返り霧が立っていた。
「薄暗くて怖いな。」
ガイアが身震いしたので”大丈夫”とみんなで励ました。
その時だ!ケンタウロス達の方に槍が飛んできたのだ。
「何!?」
ウンディーネがみんなにしゃがむように合図をしてキューピッドは空から様子を伺うことにした。みんなが歩いて行くたびに槍が飛び交う音が近づいてくる。これは一体なんなのかと思っていたらギューゲースが誰かと戦っていた。
「ギューゲースがどうしてここにいるの?」
ウンディーネは驚きのあまり目を見張った。
「あっ、ギューゲースと戦っている人は僕と似てるぞ。」
ケンタウロスが不思議そうにその光景を見た。
ギューゲースと戦っているその人はケンタウロスと同じ半人半馬の人である。ケンタウロスはウンディーネに彼のことを聞いたがウンディーネは”知らないわ”と首を横に振った。みんなは彼らの戦いを止めることができないでいた。どうしようかと歯を食いしばっているとヘカトンケイルが戦いの止めに入ったので事は収まった。
「全く!あのケンタウロスに似てる君は誰なんだ?」
ユニが彼の前に立って聞いた。
「俺か?俺はなケイローンって言うのさ。ケンタウロス族の賢者と言われているが・・・君がケンタウロス?」
ケイローンはケンタウロスをまじまじと見た。
「そうです。初めまして。賢者なんて凄いですね。でも何故ギューゲースと戦っていたのでしょうか?」
ケンタウロスの言葉にケイローンは唸った。
「戦争がいざ起こってもいいように予備練習さ。」
みんなは彼を見てなるほどと思った。






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