第7章 恋の策謀事件(下)
みんなが泉にうっとりしていると誰かの気配がした。
「誰だ?」
みんなが後ろを振りむくとそこには1人の男が立っていた。
「こんなところに君達は何のようだね?」
男は黒ずくめの格好で悪魔の笑みを浮かべていた。
「君は一体誰なんだい?」
ケンタウロスが男に聞いた。
「私の名前はウラノス=ティターン=ラージネスだ。」
「あなたは初代悪魔狩りの?」
ウンディーネが彼に聞くと”その通り”と返事が直ぐに返ってきた。
そこには初代悪魔狩りのウラノスが立っていたのだ。彼は本能のみで戦っていた人物で、かつてジャイアントヒルの神に挑んだ罪として呪いをかけられ、末代まで悪魔を滅ぼすことを定められたのである。
「どうしてそこにあなたがいるの?」
というガイアの言葉を無視して男は巨人にこう告げた。
「やあ、ヘカトンケイレス君!お久しぶりだね。君の兄弟達がどこにいるのか知りたくないかい?」
ウラノスの言葉に巨人は頷いた。
「しかし簡単には教えてあげれんのだよ。わかるよな?」
ウラノスが満面の笑みを浮かべると巨人は自分の兄弟達が生きているのか聞いた。
「生きてる?それはどうかな?」
「なんだよ。さっさと教えろよ。」
キューピッドがウラノスに歯向かった。
「教えたら君達のためにならないだろう。自分の頭で考えるんだな。私はジャイアントヒルの神に挑んでくるからね。それでは、また会おう!!」
ウラノスは消えてしまった。ウラノスが消えた後何かメッセージが書かれた紙が地面に落ちたのでディオが拾って読んだん。
「”アイガイオーン はギリシャ・ローマ神話に登場する
ウラノスとガイアの息子達である百手の巨人の一人
アイガイオーンはエゲオーン、ブリアレオースとも呼ばれ
コッティュス、ギュゲス、とも呼ばれる。この巨人達は多数の手足があるが、巨人のご多分に漏れず頭の動きは鈍い。”あれ?ヘカトンケイルの兄弟って2人いなかったか?」
「変ね。これじゃあまるで兄弟が1人しかいなかったみたいだわ。だってアイガイオーンはエゲオーン、ブリアレオースとも呼ばれコッティュス、ギュゲス、とも呼ばれているなんて私達は何か勘違いしていたのかしら?」
ウンディーネが首をかしげた。
そしてみんなは泉から去って巨人の兄弟を探しに歩き始めた。