第7章 恋の策謀事件(下)
「そう言えばティーターンのことは授業でも少し触れなかったか?」
キューピッドが思い出してウンディーネに聞いた。
「そうね。でも授業では詳しくは扱ってくれなかったわ。ティーターンとはギリシア神話・ローマ神話に登場する神々なのよ。ウーラノス(天)の王権を簒奪したクロノスを初め、オリュンポスの神々に先行する古の神々なの。巨大な体を持つとされるのよ。1人1人は説明していられないから名前だけ述べるとオーケアノス、コイオス、クレイオス、ヒュペリーオーン、イーアペトス、クロノス、テイアー、レアー、テミス、ムネーモシュネー、ポイベー、テーテュースそれからディオーネーを加えて13柱とする場合もあるわね。」
ウンディーネが説明し終えるとユニが”呪文みたいでまいっちゃうぜ”と言葉を吐き捨てた。
「あれクロノスって獣の乗り方の先生のあのクロノス先生のこと?」
ケンタウロスがウンディーネに聞いた。
「そうよ。あのクロノス先生よ。まさか先生がティーターンだったなんて夢にも思わなかったけど。」
ウンディーネが肩をすくめてクスリと笑った。
「通りでね。クロノス先生ってやけに体が大きいなと思ったんだ。」
ディオがウンディーネの言葉に頷いた。
暫くケンタウロス達は巨人の後に続いて歩いていたがやがて巨人が立ち止まるとどうしたのかと巨人が止まった先を見た。
「あれは恐鳥類のタイタニスだわ。」
ウンディーネが指をさして言ったその時だ。こちらにタイタニスが飛んできたのでみんなは巨人の後ろに隠れてしゃがんだ。
「うわああ。」
「あれ?」
いつのまにかタイタニスは去って行ってしまった。
こうしてケンタウロス達はヘカトンケイルと出会い彼の兄弟を探すこととなった。ヘカトンケイルは兄弟を無事に探してくれたら亡くなった君達の友達に関する良いヒントをやろうと言ってくれた。
森を抜けるとそこには見慣れない市場があった。
「何だここ?」
そこには幻想的な音楽が流れ神々が楽しそうにお買い物をしていた。
ケンタウロス達が探すことになった巨人の兄弟はコットスでその名は「怒り」を意味する。ブリアレオースでその名は「強き者」を意味する。 そして最後がギューゲースである。