第7章 恋の策謀事件(下)
ケンタウロス達は先生方と学校に戻った。そして2人の死因を考えながら犯人を探していくことになった。
「まずは僕とウンディーネが2人を見つけた森に行ってみよう。」
ディオがそう提案してくれたが森に行くには学校の許可が必要である。
「でも、森に行くには学校の許可が必要よね?授業の時は先生が許可を取ってくれるのでしょうけど。どうする?」
ウンディーネがお手上げポーズをした。
「まいったな。何か良い方法はないかな?」
みんなはしばらく考え込んだ。
「誰かのスカーフが舞ってみんなで追いかければいいんじゃない?」
そこにガイアが思いついて言った。
「でもみんなで追いかけるのは変に思われないか?いい案なんだけど惜しいな。」
ユニが残念そうにみんなに言った。
「そうだ、野外授業があるって嘘をつけばいいんじゃない?先生の手伝いで森に入ります・・・みたいな?」
ケンタウロスの言葉にみんな頷いた。
「2人の敵を打つ位の嘘は仕方ないわよね。早速事務局へ行きましょう。」
ウンディーネがみんなを諭した。
「でも先生方にバレたらまずいんじゃあ?」
ウンディーネが走り去ろうとするみんなを止めた。
「大丈夫よ。ほら、この子がいるもの。」
ウンディーネが誰かを呼んだ。すると張り紙事件の時に迷い込んだゴブリンが現れた。
「ゴブリン!?君はまだいたのかい?」
ケンタウロスとディオが驚きの声をあげた。そしてみんなにゴブリンを簡単に紹介した後、ウンディーネはゴブリンに上手くやるように頼んだ。
「いいわね。私達は亡くなった友人の敵を取りたいの。そのためには犯人探しは不可欠なのよ。そこで事務局の方に申し訳ないけど嘘をついて森に入るわ。その間私達を演じ分けて欲しいのだけどできるかしら?」
ウンディーネはゴブリンにこう頼んだ。
「わかりました。僕の仲間を連れて行きますから。あとは上手くやるのでみなさんは森にどうぞ・・・あの報酬はいかほどもらえるのでしょうか?」
ゴブリンがおずおずとみんなに手を差し出す。
「ちょっと冗談でしょう?私達はまだ子供なんだからそんなの無いわよ・・・わかったって、冬休みになったら一緒に外へ出かけましょう。それくらいなら事務の方も許可してくださるわ。それでいいわね?」
ゴブリンは頷きみんなが去って行くのを確認した。