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時と光と風の中で

第7章  恋の策謀事件(下)


翌日からアフロディティーとマールスの遺体はヒポクラテス名医の病院へ搬送されて死因を調査する事になった。
そして2人の遺体が調査されている間Esperanza of fantasia school校長先生や遺体を目撃したディオとウンディーネは新聞記者に追われていた。学校中でもどよめきが起こり、寮監督の先生も一段ときびきび生徒達を監視するようになった。
さて病院に搬送された2人の遺体は別々に儀式が行われた。古代ギリシャでは魂の去ったあとの肉体は汚れているため、まず火によって浄化しなければならない。また魂が天界に帰るために、魂の俗な部分を焼き尽くし、清らかな部分にするためには火が不可欠なのだ。
2人の遺体はそれぞれの儀式を終えて名医が死因を調べた。まず検死をした。死亡届を役所に提出する際、死因は必ず必要になりますので、海難事故・遭難・行方不明などで死体の確認ができない・生死の確認ができないが時間的に生きている可能性が限りなく低いと判断せざるを得ない状況以外は医師の死亡診断書が必要だ。そして2人の死因ですが窒息死ということが分かったのだ。
「はぁ、どうしてこんなことに。」
ヒポクラテス名医は頭を悩ませて言った。
「これは自殺では成し遂げられないものでしょう。」
「だとしたら誰かに殺されたと?」
検死が終えて呼ばれた看護師が名医に聞いた。
「そのようですな。ただ、学校からは誰が殺したのかは分かっていないそうでね。一刻も早く2人の足取りが掴めればいいのだがな。」
「それは残念ですわ。」
看護師も肩をがっくりと落として横たわっている2人を見た。そして2人に敬意を払い部屋を後にした。
看護師が去って行く時に名医はこう告げた。
「もうすぐ土葬の時間ですと学校に知らせておいてくれ。」
「わかりました。すぐに連絡を入れますね。失礼しました。」
看護師はすぐに学校に連絡を入れた。こうして慌ただしく時が過ぎて行くがまさか最悪な事態になるなんて夢にも思わなかっただろう。誰もが彼らの死を望んでいなかったでしょう。そして今、土葬の時間が迫っている。



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