第6章 恋の策謀事件(上)
「なるほどタメになるな。」
みんなはウンディーネのわかりやすい回答に頷いた。
そしてこれからは用心した方がいいねとアフロディティーに促して図書館を去って行った。アフロディティーはマールスと腕を組んで歩き出した。
「あれ?アフロディティーってキューピッドと付き合ってたんじゃなかったのか?」
ディオが近くにいたガイアに聞いた。
「これだからドンくさい男の子は!別れたのよ。まあキューピッドはまだ未練があるようだけど。」
ガイアはディオの背中を叩いた。
「うわああ。」
その拍子でディオは転びそうになった。
「ドンくさいっておいおいそんな言い方はないだろう?」
ディオが体制を整えてからふくれっ面をしたのでガイアが笑った。
「笑うところじゃないんだって聞いてる?」
「ごめんなさいね。でもわざとじゃないわ。それじゃあ夕食に会いましょうね。」
「また、後でな。」
ディオとガイアは別れを告げてそれぞれ寮の部屋に戻って行った。
夕食はみんなでわいわいと食べていた。そこにはヘルメスとヘファイストスの姿もありサンダルの件は一旦忘れて話に華を咲かせていた。
「あ~楽しかったわね。ウンディーネ、ガイア戻りましょう。」
アフロディティーがお腹を抱えて笑っているとそこにキューピッドがやって来てアフロディティーに言った。
「話があるんだ。」
キューピッドは真剣な目で彼女を見た。
「別に私は話なんて・・・いいわよ。」
アフロディティーはウンディーネとガイアに先に寮へ戻るように言ってキューピッドと大広間を後にした。
「あそこで話そう。」
キューピッドはレボルシオンの談話室に彼女を連れてくるとドアを閉めて彼女に聞いた。
「マールスと付き合ってるんだって?本当なの?」
「それが何か?なんだ、そんなことか。来て損しちゃったわ。分かったならいいでしょう?私は帰るわね。」
アフロディティーが談話室から出ていこうとしたのでキューピッドが彼女の腕を引っ張った。
「私がマールスと付き合ってたらいけないことなの?もういいじゃない。私たちの関係は終わったんだし。」
彼女はクスリと笑った。
「でも喧嘩していたとはいえまだ別れてないうちに付き合うなんて変だよ。」
キューピッドは残念そうに肩を落とした。