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時と光と風の中で

第6章 恋の策謀事件(上)


マールスがアフロディティーと交わしてから数日になった。キューピッドはアフロディティーにいつ謝ろうかと考えていた。
「みんな、おはよう。」
アフロディティーは笑顔で大広間に入ってきた。
キューピッドはおずおずとアフロディティーの方にやって来て彼女に手を差し出してこう言った。
「この前はひどい事を言ってごめん。僕ら、もう一度やり直そう。」
「ごめんなさいね。もう手遅れなのよ。私の気持ちはあなたに向いていないの。あれからいろんなことがあって私の気持ちも変わってしまったんだわ。」
アフロディティーは奇妙な笑みを浮かべていた。
「そんな・・・待ってよ。僕はまだ諦めきれないんだよ。」
それでも諦めきれないキューピッドは彼女にすがりつく。
「うるさい。おだまり。もう終わったことなのよ。あなたもささっと諦めて他の子を探すのね。」
アフロディティーが叫んで去っていくのをマールスが追いかけて行った。
「キューピッド君、残念だったな。健闘を祈るよ。彼女が欲しければ正々堂々と取り戻すんだな。」
「なんでマールスに言われなきゃいけないんだよ?」
この時マールスはすっかりアフロディティーの虜になっていた。
キューピッドは去っていく2人を愕然として見ているしかなかったのだ。そんなキューピッドにウンディーネ、ディオ、ケンタウロスやガイアといった仲間達が駆け寄ってきた。
「きっと取り戻せるさ。」
みんながそう宥めてくれてもキューピッドの心はぽっかりと穴があいてわだかまりが出来ていた。
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