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時と光と風の中で

第2章 真実とは何か?


あの張り紙は数日たってもあの場所に貼られていた。そして犯人の犯行予告かのように新しい張り紙が張り出された。
「謝礼金に1000ドラクマだって?」
ケンタウロスは警戒心を強めた。
張り紙を見るなり生徒達は”値が高すぎる”と憤慨していたがサタン達悪ガキはふんっと鼻を鳴らして遠くから騒いでいる生徒達を見つめていた。
ドラクマはユーロがなかった時代のヘレニズム世界で広く用いられている通貨の単位だ。(そして1000ドラクマは日本円だと345円かな?でも全生徒が支払うと結構な数になりますよ。)
「なんだよ?驚かねえのかよ。」
そこにディオがサタン達の所にやって来た。
「僕らは一般庶民の奴らと違ってあるんでね。」
エリゴスがにんまりして指でお金のジェスチャーをした。
「父上に頼めば何だってしてくれるからね。僕らはそんなに驚かないのさ。」
エリゴスは気取って言った。
「だったらあなた達が払えばいいじゃない。そうすればことが解決するでしょう?」
ウンディーネがそれを聞きつけ彼らの前に立ちはだかった。
「やだね。」
エリゴスの言葉にアマイモンとサタンが頷いた。
「どうしてなの?あなた達もこの学校の生徒でしょう?協力しなさいよ。」
ウンディーネが彼らに問い詰めた。
「協力っていうのはな、みんなでやるから協力って言うんだよ。俺達だけ払ってたまるもんか。」
アマイモンが鼻に親指を当て馬鹿にする仕草をしたのでウンディーネの顔は怒りで真っ赤になった。
「私達じゃ払えない額だからお願いしてるんでしょう?」
「それが人に頼む言葉かね?まあ健闘を祈るよ。」
ワル3人が去っていこうとするのでウンディーネとディオが走って追いかけた。
「こら~待ちなさい!!」
しかし彼らはするりとウンディーネ達を躱して去っていった。
「もう!聞く耳を持たないんだから。」
ウンディーネはますます怒っているようだったがディオは冷静にこう言った。
「頼み方がまずかったんじゃないかな?」
「そのようね。」
ウンディーネはワル3人が去っていった方をじっと見つめながら言った。
「行きましょう。ケンタウロスも早く!!」
ウンディーネはケンタウロスも呼んでディオとその場を立ち去った。
「3人に頼めばなんとかなるなんて甘く考えていた僕らが馬鹿だったね。」
ケンタウロスが歩きながら肩をすくめた。



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