第2章 真実とは何か?
ケンタウロス達は暫く平凡な学校生活を送っていた。
そんなある日、ウンディーネは校舎の中の張り紙を見てひどく驚いていた。
「何なのこれ?」
「どうしたの?」
ケンタウロスとディオが彼女の方にやって来てその張り紙を見たが言葉にならなかった。
『イソクラテスを始めとするソフィスト達が新しい学校を開こうとしている。その為に各寮の生徒から高額の謝礼を受け取りたい。』
「なんだよ!こんなの無茶苦茶すぎるぞ。」
ケンタウロスは怒りを顕にした。
そうしていると続々と生徒達が張り紙の周りに集まった。
「こんなこと書いたの誰だよ?」
「謝礼金っていくらなの?」
と次々と声が飛びかう。
「ソフィスト・・・。」
ケンタウロスはウンディーネとディオと共にこの張り紙について調べようと頷いた。
「放課後図書室に集合しよう!!」
3人はそう呼びかけ合い授業へと向かった。
★★★
放課後、ケンタウロスとディオは図書室に着いて先に席に座っていた。すると少し遅れてウンディーネがやって来て分厚い本を本棚から手に取るとテーブルの上にどさっと置いた。
「たしかこの本で合ってるはすよ。」
3人は頷き本のページを重たく開いた。
暫くパラパラとページをめくっているとディオが叫んだ。
「これだ!!」
「何だって?イソクラテスは最も影響力のある修辞学者??じゃあソフィストって誰なんだ?」
ケンタウロスが驚いて目を丸くした。
「修辞学って今僕らが教わってるあれ?」
ディオの言葉に”ええ、そうよ”とウンディーネが頷いた。
「ダメね。この本はイソクラテスのことはわかってもソフィストの情報はかなり少ないわね。」
ウンディーネが諦めて本を閉じたのでケンタウロスとディオが”ああ”と短く賛同した。
「他の本も見てみましょう。」
ウンディーネは席から離れると他の本を探しに本棚の方へと歩いて行った。
そしてウンディーネが他の本を持ってくると本を開き3人は本の内容に見入った。
「ソフィストとは主にギリシアのアテナイを中心に活動ている。金銭を受け取って徳を教えるとされる弁論家・教育家である。」
ウンディーネが内容を読み上げる。
「また、代表的なソフィストにはプロタゴラス、ヒッピアス、ゴルギアス、プロディコス等がいる。ですって。」
3人は読み終えると顔を見合わせた。
そしてこの問題の解決作を考えるべく作戦を練ることにした。