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時と光と風の中で

第6章 恋の策謀事件(上)


こうして時が経ち平穏な日々が流れていく。しかしヘルメスはそんな生活に嫌気がさしていた。あれからアフロディティーはキューピットに夢中になりデートを重ねている。それはヘファイストスも好ましくないと思っていた。

そんなある日のことだった。
「あれ?私のサンダルがないわ。」
アフロディティーは夕食後に寮に戻ったところだった。いつもならクローゼットにしまってあるはずの金のサンダルがないのだ。
「どうしたの?」
同じルームメイトのウンディーネとガイアがアフロデティーに聞いた。
「私の金のサンダルがなくなってるのよ。いつもならクローゼットの中にしまってあるのに。」
アフロディティーは思わず叫んだ。
「変ね。だって私達は今日はアフロディティーと食事を取っていたのよ。」
ウンディーネが首をかしげる。
「それに女子寮は監督の先生が見張っているはずだから男子はありえないし・・・ってことは他の寮の女子か他の部屋の女子かしら?」
アフロディティーの金のサンダルは片方だけがなかったのだ。
「どこかで落としたのかもよ?」
ガイアがアフロディティーに聞いたが彼女は首を横に振った。
「手に持ってたっていうの?靴なんだから履かないといけないんじゃない?それに落としたなんて見覚えないわ。」
「よし、明日みんなに聞いてみましょう。」
ウンディーネの言葉に2人は頷いた。
と、その時アフロディティーが手にしていた片方の金のサンダルの中から紙切れが落ちてきた。
「これは何?」
気がついたガイアが拾って読むとガイアは顔色を変えた。
「サンダルを返して欲しければ俺の恋人になるんだな。」
「えええ?」
3人はしばらく驚きの表情を変えなかった。
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