第6章 恋の策謀事件(上)
次の日もみんなで図書室に集まり昨日の本を読み返していた。
「もしかしたらアマイモンやサタンも昨日の本に載ってるんじゃないかしら?」
ウンディーネがみんなに確認しながら本のページをめくった。
「だといいけどね。」
マールスが頷いた。
みんなで手分けして探したが本に記載されていたのはエリゴスだけだった。
「エリゴスって悪魔の世界では有名なんだな。」
ケンタウロスはそう呟いた。
それから図書館に出たみんなはそれぞれの寮へ戻って行った。
ケンタウロスは夕食から寮に戻ってからもアキレーやアキレーのお抱え拷問使のエイラ太公について考えていた。
もしケンタウロスが見たのが本当だとしたらヘファイストスは何故彼に会わなければならなかったのか。彼に会って何を話していたのか・・・そこまで聞き出すには勇気がいるのでヘファイストスには直接聞くのはやめようとケンタウロスは心に秘めて布団にもぐった。今は就寝の時間だ。夕食や入浴はとっくに済ませあとは寝るだけ。
ケンタウロスは悪魔の歴史についてもっと知りたくなった。なので明日エリゴスに詳しく聞こうと思ったのだ。果たして上手く聞き出せるのだろうか?
次の日になった。ケンタウロスは着替えて寮のみんなと朝食を食べに広間へ向かった。広間に着くと既にたくさんの生徒達が集まっていた。
「ケンタウロス君、おはよう。」
ケンタウロスが声のする方を振り向くとアフロディティがにっこり挨拶してきた。
「おはよう。」
ケンタウロスも挨拶を返した。
アフロディティは今日はガイアとウンディーネと食事を取ることにすると笑顔で話してくれた。
「あれ?キューピッドとは食べないの?」
「流石にそこまでは無理よ。それに寮の女の子との関係も壊したくないしね。」
「なるほど。」
ケンタウロスはアフロディティと別れて寮のみんなと朝食を食べることにして席に着いた。すると、そこにちょうどワル3にがケンタウロス達の前を通り過ぎようとしていた。ケンタウロスがエリゴスに聞き出すのは今がチャンスだ。
「あの、エリゴスに聞きたい・・・。」
ケンタウロスはエリゴスに悪魔の歴史について聞こうと思ったがそれを遮られてしまい聞くチャンスを逃した。
「図太い奴らはせいぜい頑張るんだな。」
ワル3人はげらげら笑って去って行った。