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時と光と風の中で

第6章 恋の策謀事件(上)


そこにはこう書かれていた。
『 教会の退魔竜騎兵の団長。ラファエルの父ではあるが、ラファエルとは血がつながっていなく、孤児となったラファエルを引きとって育てた。また、ラファエルの本当の両親を殺した張本人でもある。ミカエルとの戦いで右腕を失ったが、サミジナの接合手術でどうにか動かせるまでには回復した。』
「どういうこと?」
みんなが目を疑った。その時、エリゴスが図書館にやって来た。
「あれ?アマイモンとサタンは?」
ガイアがエリゴスを見て驚いた。いつも3人でつるんでいるのに今日は1人だったからだ。
「なんだよ。本を返しにきちゃいけないのかよ。」
エリゴスは不機嫌そうに言って本を返却カウンターの上に置いた。
「ごめん、ちょっとびっくりしただけよ。それより聞きたいことがあるんだけど。」
ガイアがエリゴスの前に立った。真剣な目でエリゴスを見ていると彼の細長い顔立ちがよくわかった。
「なんだよ。気色悪いな。」
エリゴスは気味悪そうにガイアを見た。
「あなたの名前はエリゴス=ハウラーなの?」
「だからなんだって言うんだよ。」
エリゴスはそっけなく言葉を返した。
「本当なのかと聞いてるのよ。 教会の退魔竜騎兵の団長なのは本当なの?ラファエルの本当の両親を殺したんですってね。」
ガイアはエリゴスの肩をつかみ言い放った。
「落ち着けって。そうさ、俺の名はエリゴス=ハウラーさ。教会の退魔竜騎兵の団長なのは確かだ。でもラファエルの両親は殺してないぜ。」
エリゴスはヘラヘラしていた。
「でも悪魔狩り図鑑にはちゃんと載ってるんだぞ。」
そこにマールスがエリゴスに向かって走り本を見せた。
「どれ、見せてみろ!!」
エリゴスはマールスから本を奪い取るとそのページをじっくり読んだ。
「この本は真実と嘘が混じってるんだな。あんまり信用しない方がいいぞ。それに他の本も読んだのかよ。これだけに囚われてるからいけないんだって。」
エリゴスはそう言い残し去って行った。
「確かにそうだね。」
みんなは本を片付けて図書室を出た。
”もしかしたらサタンやアマイモンもあの本に載っていたのかなあ?”そう思ったケンタウロスは何だか不思議でならなかったのだ。
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