第6章 恋の策謀事件(上)
「悪魔狩りには歴史があると言われている。なぜ行われていたかは定かではないんだよね。」
「うんうん。」
「悪魔狩りの最初の人物はウラノス=ティターン=ラージネスという方だと言われている。通称ウラノスだ。」
マールスが説明しているとウンディーネが言葉をつけ足した。
「ウラノスは天空神なのよ。全宇宙を最初に統べた原初の神々の王とされるわ。果てしなく巨大な体躯を持ち、無数の銀河系が散りばめられた宇宙を常に身に纏っていると言われているの。」
「さすが!ウンディーネだね。ウラノスが悪魔狩りを始めた訳だけど何故始めたのかは、はっきりした答えがないんだよね。それから彼に続き悪魔狩りは広まって行ったんだ。さっき調べたアキーレもその中の1人だね。アキーレはエイラ太公お抱えの拷問吏として『虐殺の道化師』と呼ばれていたからね。そしてアラマール&カイニス兄弟も有名だね。彼らは闇の眷属として冠翼の聖天使・ガブリエルを崇めていた伯爵兄弟だね。おそらく、もとは人間だったがガブリエルに力を与えられて2人とも悪魔に転生したと思われているんだ。」
マールスは本のページをめくりながらみんなに説明した。
「虐殺の道化師ってことは?むごい方法で殺すエキスパートってこと?」
ケンタウロスが驚いてマールスに聞いた。
「まあ、そんなところかな。」
マールスは相づちを打った。
「こうして見ると悪魔狩りの重要な人物がいるよね。誰かわかるかい?」
「ガブリエル!?」
ディオがすかさず答えた。
「その通りだね。ウリエルという唯一女性の冠翼の聖天使さえもガブリエルの力に及ばなかったっていうんだから相当な力のある方なんだろうね。それからさっきも話したアラマール&カイニス兄弟もガブリエルに力を与えられて悪魔になったんだよな。ということは彼女はそれだけ何かの魅力があり才能が人を導く才能があるんだろうな。」
マールスが頷いた。
「エイラ太公も彼女によって復活しているわ。本当にすごい人なのね。」
ウンディーネが目を輝かせて言った。
こうして悪魔について調べていると思いがけない方の名前が目に入った。
「エリゴス=ハウラー?あのうちの学校にいるワル3人の中のエリゴス?」
こっこれは一体??ウンディーネは不思議そうに書かれた名前をじっと見つめていた。