第6章 恋の策謀事件(上)
ケンタウロスは寮に戻る途中にヘファイストスを見かけた。
「すみません。」
ヘファイストスは誰かに謝っていた。
「誰だろう??」
ケンタウロスはヘファイストスが誰と会っているのか気になったのだ。ケンタウロスは気になる衝動にかられ、おそるおそるヘファイストスのいる方へ近づいて見た。
「え?」
ケンタウロスは何を見ているのかと我が身を疑った。
そこには体がぐにゃぐにゃの塊のようなものがヘファイストスの前にそびえ立っていた。
「あれは何?」
ケンタウロスが驚いていると誰かの声がした。
「アキレーだよ。」
「何だって?」
ケンタウロスが後ろを振り向いて見たが誰もいなかった。
「そういえば聖なる書の時も誰かがデマゴーグの名前を教えてくれたけど誰だったのかな?」
とにかくアキレーとは誰なのか知りたくなったケンタウロスは明日みんなにこのことを話すことにした。
次の日早速みんなに昨日のことを報告した。そして放課後に図書館に集まって調べることにした。しかしユニは用事があるからと行けず集まったのはケンタウロス、ウンディーネ、ディオ、ガイア、マールスだけだった。
「昨日本当に見たんだろうな?」
ディオがケンタウロスを疑った。
「本当だってば。」
ケンタウロスは言い返した。
「でもデマゴーグの時だってケンタウロスの一言でディオが思い出したわけだし。今回だって信じてあげましょう。ここで喧嘩していても何も始まらないわよ。」
ウンディーネの言葉にみんなは気合を入れてアキレーについていろんな本を開いて探した。しばらくするとガイアが声を上げたのでみんなはガイアの方へ駆け寄った。
「このページにアキレーについて詳しく書いてあるわ。」
「何だって?」
ガイアはそしてこう続けた。
「アキレーは ”先代悪魔狩りが仕損じた数少ない悪魔の1人。エイラ太公お抱えの拷問吏として『虐殺の道化師』と呼ばれている。体を自由自在に変形でき、魔法も効きにくい体質をしている。”だって。」
「悪魔狩りってなあに?」
ガイアが読み終えた所でみんなに聞いた。するとマールスが詳しく話してくれた。